一見さんお断り!ちょっと難しいよ!小普賢岳コル(地獄谷本流)::つばや菓子舗五代目ブログ

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五代目の四方山不定期更新日記
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師匠主催の山行で大峰山脈のアイスクライミングのメッカと言われている大普賢岳東面の地獄谷を登りに行くというので嫁さんと一緒に参加してきた。
(アイスクライミングでは無い)

それにしても・・・またメジャーな山を目前まで行きながらピークハントせずに人の行きそうにないルートで登ってきてしまった・・・(-_-;)
(2012年11月19日)
先週半ばの寒気によって初冠雪していた大峰山脈。

事前の連絡で、冬山日帰り装備にヘルメット、ハーネス、エイト環、カラビナ、スリングに念の為に前爪のあるアイゼンを持参するように!とのお達し。かなりヘビーな内容になりそうな予感(^_^;)

駐車地は新伯母峰トンネル入口手前を右折して県道40号線:大台ヶ原ドライブウェイ入口の路肩。紅葉シーズンも終わった平日なのでラーメン屋のオヤジさんも許してくれるだろう(^_^;)
山葵谷林道ゲートに向って歩く。

橋の上から大普賢岳・小普賢岳を見上げる

林道ゲートから伯母谷川沿いに進む

林道終点から左の山に入っていく。

苔むした整備道を沢沿いの高所を歩く

駐車地から約30分で旧わさび園ゲート。
かつて「わさび」を特産品として育てていたであろうこの場所なのだが今ではワサビの葉っぱ一枚とて生えていない。
苔むした河原の伯母谷川沿いをさらに歩いて行く。

今年はすでに落葉した明るい森となっているがこれで普通なのかも?

標高980m付近の小滝手前で右岸から左岸へ渡渉して巻く。

左岸を少し行くと小さな沢が右手から流れてくる。

これをまたいで

高く巻きながら本流左岸を歩く

さらに右手から流れこんでくる

この支流の沢を乗り越えるにはプチ沢登りをする

乗り越えた場所で小休止
本流の左岸の山腹を歩いて行く

本流に向って下って

小滝前で渡渉して右岸へ

右岸の左手には岩壁を黒く濡らすシネマスコープ滝

この滝を巻き上がるために行者道(滝の右岸稜線)を使うのだが、行者道に乗るためには岩場を避けるために

東へいったん振って(トラバース)から

急斜面をよじ登る。
するとこのように綺麗な整備道(行者道)の山腹道に乗って滝の上部を歩いていける。

でも、ところどころ崩壊していて微妙な箇所あり。
あらよっと!シネマスコープ滝の上流を渡渉。

(ちなみに↑この沢は日本岳の西コルまで伸びている模様)
渡渉後も行者道の山腹道を歩くが道幅が細くなっていく(^_^;)

真西に見える大普賢東面にデカイ滝が見える

なんという名前の滝だろう?
進行方向の正面に連爆帯が見えるが地獄谷左又右ルンゼのグランドイリュージョンだろうか?

↓地獄谷左又が近づいてきた

左股を乗り越えて右股へ行きたいのだけど簡単に行かせてもらえないので一旦、左股に入る

左股にはいるとこんな感じ

巻きやすいところで左股の渡渉をしたい

一つ目を越えて、下流を覗き込む

落ちると帰ってこれそうにない(^_^;)
流れこんでくる上流を見上げるが上は果てしない(-_-;)

そしてやってきた壁面をあちらこちら流れ落ちる滝群。ここで休憩。

キョロキョロしているとかなり上部から流れ落ちてくる沢がある。
↓この沢はどこから流れてくるんだろう?

ここからは傾斜角度が増してくるのでヘルメットとハーネスが必須。

滝を巻くため行者道の続き?で地獄谷本流左岸を登り、支尾根っぽいところで行者道が途絶えたら急斜面の直登。

↑この直登からが、泣きそうになる登りが連発!(-_-;)
何が泣きそうになるのか?というと足場がヌカルミの急斜面。ホールドは疎らな細い腐った木と腐った細い根。それと枯れてる少しだけの草。それに岩は脆く、ほとんどが浮いているか、簡単に剥がれ落ちる。
岩場を嫌って右へ右へと追い立てられるが、トラバースしている場所も柔らかい崩土や落ち葉が積もっているような場所。

最初に通る数人まで何とか通ることができても

何人も歩いた後は良い状態はこれっぽっちも残っていない(-_-;)
おっとっとっと!と呟くこと十数回・・・前方に何筋もの斜瀑が見えてきた。

日陰で滝の下だから暖かくはないけれど、平坦で風が吹いていないという状況なのでここでランチタイム。
今日は時間短縮で各自簡単な昼食。私と嫁さんは山専ボトルのお湯で韓国風:辛カップ麺。

どちらもピリリとしてて胃の中からも温まった。

食事場所の滝群を巻くため、食後も足場の悪い場所を歩く。

岩場を巻いていたが、どうも岩ばかりの谷を突破するために立ち木の比較的ある急斜面を直登することになった。
ただし、傾斜角度が立っていて足場が少し高いのでリーダーの師匠がロープを出してフィックスしてくれることになった。

15~20mほどの距離。そこをプルージックで登っていくのだが、時間がかかるので途中のテラスっぽい場所のロープ屈曲点を越えると下で待機しているものが登るようにした。

(ロープで登っていた場所付近には先週降った雪があちらこちらに残っていた)
だが、これが逆効果。上にいる者がプルージックを手で引き上げようとしても、下からロープが引っ張られてしまい、動きが封じ込められてしまい、かえってスムーズに登れないのであった(-_-;)
ここで30分以上の時間が費やされロープ上部へ出たが、ここからも悪場だった。

↑ご覧のような急斜面の登りが数メートルだけなら「頑張ろう!」と思えるが、登れども登れどもホールドのないズルッとした急斜面。

昼前の急斜面でも同じだったが、とにかく足場がヌカルミの急斜面。ホールドは疎らな細い腐った木と腐った細い根。それと枯れてる少しだけの草。それに岩は脆く、ほとんどが浮いているか、簡単に剥がれ落ちる。そんな場所で隊列の後方を歩いていると、マトモに登れる場所は皆目無い。なので、最後の手段で地面を手で押さえつけながらボルダーチックに三点確保を取るのだが足場がヌカルミ、ズルズルと・・・(T_T)何回も落ちかけた
隊列から遅れながらも追いつく?前方に岩場。ルートは一つ東のルンゼが正解なので、右下へトラバースが必要。

でも、右下へのトラバースは、掴むものが無いし、雪も少しあるのでクライムダウンが困難。
あ!そうか!皆アイゼンを持ってきているんだ!アイゼンを履いて歩けばクライムダウンと急傾斜地のトラバースも容易になる!幸いにして今いる場所は尾根芯で平坦だ。

ということで皆アイゼン装着。
ここからはペースアーップ!!

チャカチャカと右へ右へとトラバース!楽勝!楽勝!
おお!雪の残っているガレたルンゼ!

アイゼンあるから楽勝!
なんで早くアイゼン着けなかったんだろう!(^_^;)

と、言っても雪はすっかり解けて重い雪質なので私の歯が長いアイゼンは高下駄状態(-_-;)歩きにくいって!(~_~;)
ガレルンゼを詰めていくと、前方に明るいV字が!きっとあれが目的の小普賢岳のコルだ!

そこへ近づくために今度は笹斜面を左にトラバース

このトラバースが始まってすぐ、斜面上部が明るく見える雪が残ったルンゼ(雪ルンゼと呼んでいおく)を見上げる事が出来た。
なぜリーダーはこのルンゼを登ろうとしないで左へトラバースを続けるのだろう?
このルンゼに気づいた者が皆そう思っていた。帰宅してルートを検証してみると、この雪ルンゼは大普賢岳東壁の北端に伸びているルンゼで、間違えて詰めていればトンデモナイ岩場に突き当たっていたらしい(~_~;)

左へ笹斜面のトラバースをしていくと、スラブのトユのようなルンゼがあり、雪解け水がチョロチョロ流れていた。
小さな沢を渡るのはタヤスイのだがリーダーが念の為にとロープをフィックス。

各自、安全環付きカラビナを通してここを通過。
このルンゼ、残り標高差90mの完全なスラブのトユ。上部に行くほどガレた岩がある。

フリクションは良好。なのでアイゼンの前歯が簡単に決まる。
まるでアイゼンワークのトレーニングをしにきたかのようだ。
空が近くなって西日が眩しい。もう少しだ!


登り始めて5時間20分(昼食30分)で小普賢岳のコルに到着した!

長かった~!(~_~;)
コルで小休止。

登ってきた北東の展望は立ち木があったりするのであまり宜しくない。
南西方向も立ち木が邪魔だが少し見えている。

ウッスラ一番高く見えている山は弥山らしい。

さぁ!もうすぐ15時になるよ!早く下山しよう!

小普賢岳の北面の登山道を東にあるく。
すると鉄製の階段が現れ、これを登る。

どうやら今日の最高到達高度はこの登り切った場所のようだ。
あとは階段を下ったり

グレーチングの橋を渡ったり

致せり尽くせりの整備道で「石ノ鼻」という展望台に到着

この石の上に登ると絶景でした。

↑は南東方面。
↓は、もう少し真東に近い展望

正面手前に写っているのが日本岳
↓振り返ると大普賢岳

天気も良くて絶景です。

↓石ノ鼻から下ったところでアイゼンを外しました。

ここからの下山ルートは階段を下って

鎖やロープのある急斜面を下って

一般整備道ながら急斜面ばかりを降ります

無双洞方面の分岐がありますが、無視して「笙の窟」方面へ進みます。

下りから一変して少し登っていくと岩場になり、鷲の窟が登場

まもなく、「笙の窟」。

立派な岩の下に祠があります。

役行者の篭った場所だそうで、詳しくはこちら→検索

日没まで時間が無い!下山!

↑振り返りざまに笙の窟を撮影
登山道は山腹をいったん南東へ進みますが和佐山分岐から北東に進路を取ります。
P1326を通る植林帯の尾根道をずんずん進んで行きます。

ヒメシャラ混じりの尾根を歩いていきますが日没が気になっているので足早に通過です。


16:08標高1200m付近の山葵谷下降点到着。テープマークがたくさんあるはずだけどスマホのGPS+地図で位置確認。
対岸のP1129の山の右肩に狙いをつけて植林帯を降りていきます。
間伐の木を避けながら降りていくと仕事道に遭遇。その道を使ってゴキゲンに降りていく。
ジグザグを切りながらあれよあれよと降りてしまい、ヘッデンを取り出すこともなく、なんとか日暮れ前にヘリポートに出た!

めでたし!めでたし!
今日登った大普賢岳方面を振り返るとガスの中で見えませんでした。

林道をテクテク歩いて駐車地に戻ると17:00

お疲れ様でした!
リーダーしてくれた師匠!おおきに!
このルート、次回は沢登り?それともアイスクライミングで登りますか?(^_^;)


6:55伊賀自宅
7:20上野東IC某所
8:40杉の湯前P8:45

(↑クサギの実)
9:10駐車地(県道40号線入口)9:18
9:20山葵谷林道ゲート
9:55旧わさび園ゲート
10:47シネマスコープ滝下
11:00行者道出合
11:46昼食場所12:15
12:23ロープ(ca.1300m)13:05
13:34アイゼン装着(ca.1375m)13:48
13:50右又本流ルンゼ(ca.1358m)
14:18左又右ルンゼ(ロープca.1475m)14:26
14:39小普賢岳コル(ca.1565m)14:54
15:09石の鼻15:12
15:12アイゼン取り外し15:18
15:32笙の窟15:37
15:45和佐又分岐通過
15:58 P1326
16:08山葵谷下降点
16:18仕事道出合
16:54ヘリポート
17:02駐車地17:10






2012年11月19日
グループ山行:9名(男4+女5)
距離:8.006km
沿面:8.714km
所要時間:7時間44分
累積標高:+1379m-1380m
最低標高:712m(駐車地)
最高標高:1597m(小普賢岳北面)

17:37大滝茶屋17:43
19:15自宅着

柿の葉の在庫が無くなるために本年の営業が今月末で終わる大滝茶屋。
私が買うことのできる今年最後の柿の葉寿司を晩御飯用に買ってきました。

紅葉がムチャクチャ綺麗

柿の葉寿司はこうでなきゃ!

来年の春の彼岸くらいから大滝茶屋は再開だそうです。
楽しみに待ってます!


後日譚・・・久々の冒険のような登山だった地獄谷から帰って、私は全身が筋肉痛。でも嫁さんは腕の付け根が少し痛いだけ(^_^;) さすが日頃から鍛えている人は違いますなぁ(-_-;)
| 山登り::大峰 |
| 01:21 AM | comments (0) | trackback (0) |

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