吹雪だよ!古ヶ丸山::つばや菓子舗五代目ブログ

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五代目の四方山不定期更新日記
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この冬最強クラスの寒気が上空に流れ込み、鈴鹿以北で暴風&雪のおそれあり。
当初予定していた遠征は中止。
日曜日、伊賀周辺で本当に個人的な雪のヤブ山を歩こうか?と思いながら各地の天気予報を眺めていた。
あれ?月曜日は伊勢側の大台の天候に晴れマーク。
晴れ時々曇りで15時以降に一時雪?天気予報
それじゃ、山ヒルの居ない合間に!と狙っていた山に登ってしまおう!

と、いうわけで古ヶ丸山+白倉山を登ることにした。
(山行日2014年3月10日)
メンバーは、うちの嫁さんと、雪でもどこか行こうよとIS君。
3人の乗ったセレナは三重県多気郡大台町岩井の[なかせ食堂]の手前をカーナビをセット。

伊勢自動車道から宮川へ。
8:40すぎに犂谷(からすきだに)公園に到着。
更衣室付きトイレ&アズマヤ横の駐車場は私達だけ。
山は伊賀と同じで昨夜から降った雪で木樹が着雪しているが、この時点で晴れ。
気温も低くないのでドライ素材のTシャツに山シャツ+ハードシェルジャケット。
パンツは秋冬用の少し暖かいタイプ。
オーバーパンツは要らないかな?
でも雪が降るかも?とザックにレインカバー。
頭にゴアテックスのレインハットをかぶった。

駐車場横の案内看板に古ヶ丸尾根コース4.8kmの標識。

杉の植林帯にレッツゴー

最初は、薄っすら着雪したつづら折れの植林帯。
振り返るとカラスキ谷と舗装林道が見える

青空の下、山は雪化粧している。
尾根に乗って薄く積もった道を歩き出す。

やがて鹿避けフェンス沿いの急坂を登る&山腹の巻き道という組み合わせを数回登るのだが、このフェンス沿いの急坂がシンドイ。
フェンスの向こうに迷岳の東尾根(県境稜線)

雪煙が立ち上っているのが見える。
北方向が見えるとフェンスの向こうに白倉山の南東ピークや古ヶ丸山北峰が見えた。

フェンス沿いの急坂は木の根ががあったり石ころがあったりする。
そこへ薄く積もった積雪で滑って登りにくいたらありゃしない。

やがてシャクナゲが目につくようになってきた。

今年は何処に行ってもシャクナゲの花芽をよくみる。
シャクナゲは当たり年かもしれない。

そんな写真を撮影しているとIS君が私たち夫婦を置いてドンドン登って行ってしまった。
彼のトレースを追いかけていくと、ダブルストックの彼もかなりスリップしている。
こちらも薄い雪面に苦労していた。
凍っている訳じゃないけれど歩くスピードが遅いという理由でアイゼンを装着。
ガシガシと快調に登って・・・あれ?
植林帯を登山道はジグザグに上がっていくのに?
IS君は直登しているぞ?
こんな枝打ちしまくってヤブヤブになってしまっている植林なのに、なんで?

あ?
植林伐採目印?
それとも山の境目目印?
なんせピンクのテープ目印が植林の上部にまっすぐ続いている。
IS君はこのテープに導かれて直登してしまったのか?
アイゼンを付けた足が引っかかりながらヤブヤブの斜面を上がった。
彼の行った場所を見届けなければ、また何処かに行ってしまうかも?という心配もあった。

汗だくになって傾斜角度の緩くなった斜面で位置確認するとIS君のトレースは柁山に向かっていた。
今回は行方不明になっていないもよう(^_^;)
シャクナゲの多い柁山の北尾根の西側斜面を登る

そこはクリーミーな深雪がタップリ!

深いところは股下までズブズブ沈んでしまう。

でも、波のような積もり方の場所なので雪が薄いところはクルブシ程度。
二次林の隙間や植林が伐採されていると隙間が多くて雪の積もり方がマダラになるようだ。

快調に深雪を楽しんでいると柁山からIS君がしびれを切らして降りてきた。

一緒に登って柁山到着。

登山口標高168mからここ標高864.9mまで2時間だ。
単純標高差が670mあるし、薄い雪面が歩きにくかったのが原因。

IS君に「なんで植林帯のヤブを直登したの?」と聞いてみると「先日のラッセルトレーニングの際に冬道の急登は斜めに登らずに直登と言ってたから・・・」
え?(=o=)ジョウダンか?
それは雪崩の可能性のある「急な雪面」の話!
こんな植林帯で薄っすら雪がある時に?
ヤブが見えている時に雪崩ってあるか?
次元が違うでしょ!(;一_一)

私達夫婦がアイゼン&ピッケルなのを見てIS君はダブルストックを止めてピッケルに持ち替えた。

ここからは快適な尾根歩き。
尾根は凍てつき、その上に雪が積もっているが、ツボ足で快調に歩ける程度。
たまに雪庇の赤ちゃんがある。

突入すると足がニュルニュル沈んで気持ちいい。
尾根から尖ったピークが見えた。

帰宅して調べるとどうやら白倉山の北東の1240mほどのピークだった。
風が出てきて寒くなってきた。
フードを被ってあるく。
針葉樹の巨木を右手に見ながら、ゆるやかなピークに登る。

するとソコには山の札?

清治山961mと書いてある。
せいじ?きよはる?どう読むの?
それにしてもこの位置は国土地理院の地図上で標高950mしかないし、もう少し先に971mのピークがあるのにねぇ?
ここからの尾根にも雪の模様が綺麗についていた。

でも天候は悪くなる一方で展望がきかないようになってきた。
この尾根の緑の葉っぱのほとんどがシャクナゲ。

背の高いシャクナゲでトンネルのよう。
曇が近づいてきて雪が舞い始めた。

↑雪でぼんやり見えているピークがおそらく古ヶ丸山
風もきつくなって寒さ倍増。
尾根道は快調!な筈だけど薄い雪の下に岩や木の根が埋まっていてまじで地雷原(*_*;
あら、ヒメシャラと岩場が出てきた。

ここは簡単に乗り越えていく
このあと岩が通せんぼしている場所は右に巻き道。
その次に岩場の急斜面を登る。

ここにはトラロープが設置されているが利用する場合は自己責任で!
雪が薄く付いているのでアイゼン岩トレだ。

登りは何とかなるけれど下りが難しいのよね~
と、ロープ場を登り切ると奥芋口と呼ばれているP1056
ちょうど12:00でお昼時だったが風が冷たく吹き抜けていくし、雪も降っているのでもう少しコンディションの良さそうな場所を求めて進むこととした。

ここの尾根は雪が風で削れていて地雷原がむき出しで歩きやすい。

でも、雪の量が増えて前方に見えているはずの古ヶ丸山山頂がハッキリ見えない。

北風がキツイので南側に尾根が少し広くなっている場所で隠れるようにして昼食を食べた。
カップ麺を作る際、ラードの後入れ調味料をフタの上で温めて食べる直前に投入しなければならなかったのだが、寒すぎてラードは固く、絞り出したら袋の形のままだった。それをスープによくかき混ぜるとすぐに食べごろのスープの温度で一気にラーメン完食(^_^;)
パンも食べて寒すぎなのですぐ出発!
カラー軍手一枚だった右手はすでに痺れそうなくらい冷えていた。
古ヶ丸山の手前標高1070mから急斜面を登る。

山頂は1210.9mなので標高差40mほど。
この丘を越えると山頂?と見上げて行くと、山頂はまだ先?(*_*;

岩場が出てきたよ。
ピッケルとアイゼンを上手く使って登りましょう。
岩を回りこんだり岩の隙間をまたいだり、アイゼンを引っ掛けないように登る
やれやれ!やっとの思いで古ヶ丸山山頂!

あら?もう13時だ!
三人で相談の結果、30分だけ白倉山に近づくことにして出発。

雪は横殴りで量も増えてきている。
進路を北に尾根を降り始めが岩だらけ。
階段状になっていれば楽なのにアチラコチラ変な角度で折り重なった岩だらけ。
そこに雪が薄く乗っているのだから非常にたちが悪い。
慎重にゆっくり、焦らずに足の置き場所を丁寧に探す。
「ユックリな!」と振り返ろうとした瞬間!
後ろに居たIS君が「うぁ!」と雄叫び一発。
え?見れば、IS君が頭からひっくり返ってる?(・_・;)
すぐイテテテ・・・と起き上がってきた。
ヾ(・∀・;)ヲイヲイ?
大丈夫か?
脚ヒネってないか?と声をかけると
「うん、大丈夫だけど岩で脚を打った。でも大したこと無い青タンくらいやと思う。でもこの隣の岩で頭を打っていたらと思うと怖いなぁ。と、こけていた横に尖った岩がゴロリ。
な?ゆっくり慎重に足を置かなアカンで。
少し遅れて私の嫁さんがゆっくり慎重に降りてきた。
彼女の片足の足首は数年前から靭帯が緩いか切れている。
そのせいで横方向に踏ん張れない。
なので普段の山行時にはスポーツ用のサポーターを装着しているのだが、この日は私がそのサポーターを車に積み忘れてしまい、サポーター無しでここまで登ってきたのだ。
登りはピッケルを杖代わりに腕の力で登ってきたが急傾斜を下るのが大変。
滑りやすい岩稜+着雪でなおさらだ。
標高1172mの鞍部まで降りて1190mピークに登り返せば古ヶ丸山の北峰。そこからまた30m急斜面を降りて鞍部に立つ。
そこから北西に吹雪の合間に次のピークがチラリと見えた。
そびえ立つ標高1239mピークだ。
そのピークに行くには標高差約100mを登らねばならない。
その先には大熊おとしと呼ばれる岩の乗り越しがある。
ここで撤退予告時刻の13:30
急な下りを3回下った嫁さんに足首の具合を聞く。
「今のところ痛みは無いけど、5km引き返しながら下って行く道中まで足首を庇って歩くことを考えれば、ここが潮時かもしれない。吹雪もひどくなってきているし、また来よう。」
そいじゃ!撤退!
ガンガンに雪が横殴りに降っている。

古ヶ丸山山頂を14時に下山開始。

元々薄く積雪していた場所のトレースは十数分間で消えていた。

兎に角しばらくは岩場が続くのでユックリ慎重にアイゼンを引っ掛けないように降りていく。
尾根道を歩いていると時折に雪煙がやってきたかと思うと突風の中で吹雪に視界を遮らせる。

突風ながら気温があまり低くないのがありがたい。

でもメガネをしている私はマツゲに雪がついてそれが凍る。
目がバシャバシャしてもメガネ&冬用グローブだとそれが拭えない。
吹雪に囲まれたら風を背中に受けてしばらくジッと風が止むのを待つ。

これが続いた時。
判断を誤って身を守る行動が取れないと低体温となり、やがて動けなくなってしまうのかなぁ・・・と遭難する瞬間を考えた。
この日は時折襲ってくる吹雪は数分で収まってくれたので大事には至らなかった。
吹雪の中、奥芋口を通過した。
そこに往路では気付かなかった「レンガ滝へ林道コース」という看板を発見。この北尾根を下っていけばレンガ滝のあるカラスキ谷の林道へ下っていくらしい。でも、途中で登山道が崩落していて危険らしい(by登山口の案内看板)
自分たちが午前中歩いてきたトレースを拾いながら下山。
吹雪の中、我ながら往路によく歩いて登ったなぁと感心する。
柁山にIS君がストックをデポしてきたから今日は完全ピストン。

この日はバリルートを歩くような余裕は最初から持ち合わせてない。
尾根道の地雷原は相変わらず怖い。

古ヶ丸山山頂から1時間20分で柁山に到達。

IS君のストックをピックアップして植林帯に突入。
往路でIS君が無理やり直登したヤブヤブの植林帯ではなく登山道を歩く。つづら折れで凄く快適に降りれた。
そして鹿避けフェンス沿いの急斜面に差し掛かる。
雪はあまり降らなかったようで往路と同じか、もしくは融けて緩い。
アイゼンのアンチスノープレートはグリベルでさえ無力。
それでも高下駄にならないのは流石というべきだろう。
足の裏に違和感を感じながらも緩んだ雪の急斜面。
しかも落葉照葉樹の落ち葉の積もった地面。
アイゼンの爪で踏ん張りながらくだっていく。
ズルズル滑る足元でウチの嫁さんも流石に足首に疲労がたまり、ゆっくりペース。
アイゼンの裏に付いた雪ダンゴをピッケルで落としながら歩くにはちょうどよいペースだ。
いつの間にか雪もやんでフェンス越しの空に青空。

標高も下がって暑いぃ~と汗が出てくる。
まだ、登山口に近づかないの?と足首が痛い嫁さん。
尾根からつづら折れをくだってカラスキ谷に向かっておりていく。
やっと登山口に帰ってきた。
やれやれ・・・と思っていたら、また吹雪かいな!

登山口に到着して16:40
14時に古ヶ丸山山頂を出発して2時間40分で下山完了。
ザックに装着してあったボトルホルダーのお茶

下山途中で凍っていたの部分を砕いて持ち帰ったのだが、相変わらずお茶が凍っていた。今年の山行で初めてお茶が凍った。
アズマヤでアイゼンを外しスパッツを外す。
足洗い場の水道が凍ってなかったのでアイゼンとピッケルを洗う。
いたせりつくせりな設備だ。

帰路は道の駅大台に立ち寄って大台茶や大黒屋のさんま鮨を買って帰った。
勢和多気から伊勢自動車道を走ったが、久居の手前から吹雪。
でも気温が高かったので路面に着雪せず。
伊賀まで雪が降っていたが自宅に着いた時には雪はやんでいた。

伊勢側の大台の山は初体験だったが、十二分に楽しませてもらえた。
またシャクナゲやアケボノツツジが咲く天候の良い時に是非登ってみたい山域だ。

2014年3月10日実施

同級生山行(男2+女1)
雪山
ピストン
距離:9.674km
沿面:10.201km
所要時間:7時間37分(昼食18分)
累積標高:プラス・マイナス1308m
最低標高:167m(駐車場)
最高標高:1210.9m(古ヶ丸山山頂)

7:00伊賀自宅
名阪→伊勢自動車道→奥伊勢PA→大宮大台IC(850円)
滝谷(ウトギ)橋工事中対岸へ迂回?
8:43犂谷公園登山口9:02
10:55柁山11:05
11:24清治山11:28
12:00奥芋口P1056
12:15標高1070m昼食12:33
(昼食18分)
12:58古ヶ丸山山頂13:02
13:17古ヶ丸山北峰13:20
13:29P1160
13:30鞍部1146m13:34
13:57古ヶ丸山山頂13:59
14:33奥芋口P1056:レンガ滝林道分岐(通過)
15:02清治山
15:20柁山15:22
16:40犂谷公園P
勢和多気→伊勢自動車道(700円)→名阪
19:10伊賀自宅
| 山登り::台高山脈 |
| 11:52 PM | comments (0) | trackback (0) |

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