冬の周回コース:竜王山(825.8m)~綿向山(1110m)::つばや菓子舗五代目ブログ

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五代目の四方山不定期更新日記
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滋賀県蒲生郡日野町北畑の綿向山。
前から霧氷を求めて登ろうと計画していたが天候が荒れていたので後回しになっていた。

2/14日のバレンタインデイ。チョコレート?私は菓子屋のくせに甘いモノは得意でない。
なので嫁さんからチョコを貰う事は、山での行動食以外にありえない。
この日の天気予報は「寒波を伴った低気圧の影響で昼前から雪。雪は夜まで降り続き、太平洋側の平野部でも積雪」。
此の分では「行きはよいよい、帰りは怖い」だ。
車で1時間かけて綿向山まで行って、帰宅時に雪で立ち往生したら・・・などと不安がよぎる。
朝7時。近所の山へ行き先変更。綿向山から一旦地図やGPSデータを入れ替え。
でも!外は晴天・無風?
先週の週末三連休は寒い荒れた日だった。その後に無風で晴れている!・・・・霧氷確実!こんな機会は滅多に無い!
8時。ええい!!綿向山に行こう!と、前から準備していた綿向山の地図を鷲掴みにして家を出た。

9:10登山口公園(水木谷林道の起点)駐車場着


自宅から1時間ほどだった。
ここまでのルートはカーナビに「西明禅寺」を検索して連れてきて貰った。
(名阪:上柘植IC→草津線沿いに県道4号線北上→鹿深夢の森→近江ヒルズゴルフ倶楽部→鎌掛峠→音羽→北畑→西明寺→西明禅寺)

9:20登山口公園出発

初めての竜王山と綿向山だ。
いつものように月曜プライベート登山は他に車は無く、嫁さんと二人っきり登山だ。
と言って仲良く語り合いながら登るのではない。そんな余裕は無く、ヒーコラ息絶え絶えに重い身体に鞭打ち登るだけ。
今日の装備・・・先週は週半ばまで暖かく(雪が溶けて)・・・また週末に雪が降ったようなので、雪の下は氷で雪はフカフカ?と、いう何でもありの状態?!
なので、アイゼンとワカン、ピッケルとストックを携行。
予定ルートは、水木谷林道から竜王山へ登り、竜王山から綿向山へ縦走し、綿向山五合目避難小屋から水木谷林道を通って登山口公園へ戻る周回コース。

この時間は本当に燦燦と太陽の光が降り注ぎ、先日来の雪は溶けて、水木谷林道は日陰以外は雪が無い。
でも、日陰は雪が溶け、凍って滑る。路肩の雪を踏んで舗装林道を登っていく。
一般的にこの周回コースは我々と逆に・・・御幸橋駐車場から綿向山へ登り、竜王山へ縦走する。
なので、トレースの向きは我々の進行方向とは逆で下山に使用されたものばかりだ。

9:38竜王山登山口到着

無風で暑い!ここで衣類調整をすると同時に凍っているであろう登り対策にアイゼンを装着。

9:50登山口を登り始める。

最初は斜面を右へ左へジグザグに登っているルートだった。途中から、ルートをショートカットしているトレースがあった。こちらを登ったら、やたら登りにくい。どうもワカンで強引に下ったトレースらしい。
それに暖かい日の光に照らされて、どんどん雪が溶けて地面が見えている。
しかも溶け始めたこの雪質・・・アイゼンにくっ付くのだ。

実は先日の高見山で、私のカシンのセミワンタッチアイゼンはデビューしていた。高見山では何も問題なかった。
が!今日は何かが違う!>雪質が重い!
カシンの純正アンチスノープレートが装着されているにも係わらず、湿気の多い雪が足の裏にくっ付く!
おかげで足が疲れやすい。でも、高度が上がれば雪質も変わるだろう・・・と、なんとか誤魔化しながら歩く。

この登り!かなりシンドイのです!

霧氷がありました!

ワザワザ竜王山を先に登った理由は、短時間で登れる竜王山なら天候が良くても解ける前に霧氷が観れるはず!
日当たりの良い場所は、溶けそうな感じになっていましたが、トゲトゲの霧氷がありました。

竜王山山頂直下の階段を登りつめて、振り返ると西明寺集落からブルーメの丘などが見下ろせます。


10:46竜王山山頂10:52

山頂から北西向きはガスがかかって展望は無し。
ドンドンと雪雲がこちらに近づいている。

竜王山山頂から高圧鉄塔方向に歩き始めると、霧氷のトンネル地帯!
でも雲が広がってきたので青空は無し!
雪質も締まっているし、トレースがあるのでツボ足で立ち往生することはなし。
海老の尻尾が3cm以上に発達しているのだがコンデジ(W90とF50fb)では、上手く撮影できない!


しかし、檜林の内側もすべて霧氷!

次に高圧鉄塔の方向へ進む。

少し歩くと森の向こうに金属音が?
近づくと高圧鉄塔の上部から溶けた雪や氷柱が落ちてきている模様。頭に当たる前に足早に通過!

11:15高圧鉄塔P842通過
雪雲のおかげで展望は無し。
11:40 P913通過
全くもって展望が良くない。
11:49 P917
イハイガ岳方向を眺めているつもりだが視界が・・・

11:56残り距離表示(綿向山1:15竜王山0:50)
急な下り道となった。

私のアイゼン・・・ここまでの道で、かなり手こずった。
やはり今日の雪ではアンチスノープレートが無効だ。

一方、嫁さんが使っているグリベルのアイゼンは「肉球っぽいスノープレート(アンチポッド)」+「シャンク部分にアコーデオンアンチポッド」が装備されていて皆目雪が着かない!
その差は歴然だ!
一方こちらは高下駄状態で足がメロメロ!下りで飛ばしたい!と思っても雪が足の裏でダンゴを通り越して高下駄!
それがたまに雪がボロリと取れるとカックンカックンしながら歩く事に・・・
12:11もう我慢ならん!とアイゼンを脱いでワカン装着

私もワカンデビュー。嫁さんの鍋尻山での反省から、土踏まず部分のテープをかなり絞り込んで幅を狭くしてきた。
踵のベルトの調整が完全に出来ていなかったようで少しシューズが内傾している。でも、まぁこれで歩ける。
昼を回っていたのでここで持参した行動食のアンパンを頬張った。

あとから気づいたがここで私はメガネを落としたらしい。乱視対策に買っていたメガネが・・・
(GTホーキンスの茶色い四角フレーム)・・・メガネを新しく買うまで夜に車に乗るのが大変だ。

ワカンを履いて機嫌よく私は深雪の尾根道を歩いていた。嫁さんはアイゼンでトレースに乗って軽快に歩く。師匠のワカンの使い方イメージの通りに歩ける。良かった良かった。

すると難路という標識が出てきた。

本当にここからが修羅場だった・・・
雪がなければ大した事の無い尾根道なのだが・・・

12:26 下の写真はP962手前の登りだ。

先行する嫁さんはアイゼン、私はワカン。
嫁さんはピッケルとアイゼンの前爪を有効に使って三点確保。こちらはワカンで前爪無し。爪先で踏ん張ることが出来ない!トラロープ(二重)がこれほど有り難いとは!

続く急斜面は岩場に雪が乗っているのだが、先週の気温上昇で雪が溶け、それが岩の表面で厚く凍り、その上に新雪が乗っている状態。嫁さんは少し手こずりながらもアイゼンで登って行く。
こちらのワカンは・・・ズルズルと岩に足が掛からず・・・仕方なく、ブレードで凍った雪を削って足を置く場所を工作。さらにピックを氷に打ちつけて上体を引き寄せ、左手で立ち木を掴んで・・・いつになったら山頂に行けるの?と少し焦りを感じた。

P926に到達するとそこはシャクナゲエリア。

シャクナゲの枝は雪が乗って登山道に垂れかかって通過に手間取る。でもシャクナゲの花芽が多く、大きかったので2011年の花のシーズンが楽しみだ。

森が凍り付いているようなエリアを通過。

ピッケルが少し凍った雪に刺さっていく独特の音が心地良い。

深雪が深くなってきたので嫁さんとトップ交代。ワカンを蹴り込んで斜面を登る。


イハイガ岳(雨乞岳方面)分岐を手前にして左手(東)に広い雪原斜面。

木がない場所は伊吹笹の斜面だろうか?

それにしても雪交じりのガスで視界が無い。


13:15イハイガ岳分岐到着。

雪庇が出来ているのが見えるものの、イハイガ岳方面はガスで見えない。
稜線上は、あちらも、こちらもフッカフッカの深雪でトレースは一切無い。
進行方向・・・綿向山山頂もガスがかかっている。

雪庇に近づかないように稜線を歩く。
トレースのない深雪だが、昨日は、かなりの人が歩いていたようで、嫁さんがアイゼンで歩いても沈み込まない。

13:25綿向山の稜線名物「幸運のブナ」

先を急ぐのでコンデジのズームで撮影した。
半分雪で埋まっているらしい。

13:31やっと綿向山山頂に到着。
なんと3時間10分かかってしまった!

風は無い。驚くほど無風。なのでガスが重く垂れこめたままで動きそうにない。

待ってみても何も見えないので下山!

13:33山頂出発。冬道分岐まで引き返す。
ここからの下山ルート・・・トレースが降りだした雪で消え始めて不明瞭。
おそらく尾根をこの方向に降りれば?と、ワカンのままスタスタ降りていくのだが、斜面が少し急になるとワカン歩きが慣れていないために「へたりこむ」ように正座してしまう(汗)
その時「あ!尻セードで降りたら早いやん!」と思いつき、尻で滑り降りてみた。
これが意外に調子がいい!
これを見ていた嫁さんもアイゼンを付けたまま尻セード!

結局、尻セードは3回くらいやったかな?
よし!4回目!と思っていたらソロ登山者が登ってきた。
道を譲ってやり過ごして「ワーーー!」と尻セード!
こんなことならヒップソリを持ってくれば良かった!
もっとも尻セード全開で下山したのでは無く、ちゃんと歩いても降りた。


気がつけば、そこは夏道通行止めのポイント。13:47

通行止めになっている夏道を覗き込んでみた。
さすがに背の高いブナ林の樹氷は見応えがあり!

秋の紅葉も綺麗なんだろうなぁ!でもヤマビルがウジャウジャ居るという噂も・・・

13:50七合目(行者コバ)通過。

雪にうもれているのは行者像?
ここからの下山路は先日の高見山の平野コースでも同様に綺麗過ぎるほど整備の行き届いた道だ。綿向山を愛する地元の人達の努力の結晶なのだろう。

14:00視界が開けると、五合目避難小屋に到着。
山頂から30分だった。

この小屋は非常に綺麗な避難小屋で。ベンチ以外に、リビングスペースもある。何よりもガラス窓が大きく、中はとても明るい。
雪がシンシンと降っているために往路(車での移動含む)の所要時間が読めない。なのでお湯を注げばすぐに食べられるカップスープとクリームパンをカジって飢えを凌ぐ。

14:20避難小屋出発
雪がかなりたくさん降っている。
ここからは表参道ではなく西明寺へ水木谷林道を通って戻る計画。
五合目避難小屋の山側に「←奥の平 西明寺」という標識があったので北西方向に進んでみた。
するとトレースもあり、鹿避けネット沿いに斜面をトラバースして行く。道が植林帯に飲み込まれるとトラバースしていたトレースは一気に35度~40度の傾斜を直滑降。行き着いた先は鹿避けネット(泣)
でも不思議なことに!ここでトレースが無くなっているのだ!
推測するに、トレースの主はおそらくここまで降りたものの鹿避けネットに阻まれ来た道を戻った?
私はそんなご苦労なことはしたくない。ネットがどこで途切れるのか・・・最悪は乗り越えねば・・・と思いながら右に移動していくとネットの切れた場所を発見。そこから下に下れば良いのだろうが・・・とトレースを探すと、下から上がってきたようなトレース発見。迷いもなくそれを踏んで降りる。
すると、また鹿避けネットが・・・でも!すぐに鹿避けネット出口があって川沿いの林道らしき所に飛び出たではないか!14:33林道は谷を右にまだ登っているがすぐに谷の折り返しだ。また林道は左に下っていく。
ここで地図を見ようとしたもののザックのポケットに突っ込んでいた地図は雪に濡れてドロドロ・・・
所有しているGPS端末は今日はログ専用で分岐データを入れていない。
何処に居るのか分からない。取り敢えず右の谷の折り返し地点を調べて・・・と考えていたら、嫁さんが鹿避けネットの中の道をテクテクと林道に沿って下っていく。呼んでみたが聞こえない。急いで追いかけて事情を説明し、林道の上手を確認。谷の折り返しには砂防堰堤があり、林道は荒れて行き止まり。結果としては嫁さんが歩いていたルートが正しかった(号泣)
20cmほどの積雪林道を下っていくと14:45北参道登山口と標識があった。ん?これが表参道から水木谷林道へのルートなのか?
川沿いの林道を下っていくと奥の平橋出合(非公式駐車場)に到着。14:47
これで帰路がハッキリした!
14:50にLR152巡視路入り口通過
14:52非公式駐車地(高圧線下)通過
15:03林道車止め通過

(鍵は無く自己責任で出入り可能)
ここで道の雪が薄くなってきたのでワカンとアイゼンをそれぞれ外した。
15:10竜王山登山口通過
15:24西明寺の登山口公園駐車場に帰還!
歩行距離は沿面で11.8km。6時間余りだった。

駐車場の我が愛車には雪が数センチ積もっている。

リヤゲートを開けて履き替える靴を出そうとしたら自分の頭やザックに積もっていた雪が車内に入り込む。
グローブはもとより、ザックやレインウエアはビチョビチョに濡れていた。
スパッツを外し登山靴を脱ぎ、普段の靴を履き、着替えをして、フロントガラスの雪をどけて・・・窓ガラスの内側が曇って見えない(泣)
デフロスターでフロントガラスの曇が消えた!

15:41帰還準備(着替)完了で帰路に着く
雪が降り積もったせいで下山後も樹氷が楽しめる

・・・復路は雪が積もってスリップ注意だ。
往路のように山を越えて峠道を走るのは無謀なので幹線道路で日野へ行き、そこから水口へ。
道中スリップ事故で線路の盛土まで突っ込んだ軽トラックがあったり、スタックして動けなくなった大型トラックもあった。
降雪真っ只中の道をゆっくり走り(往路より50分余計にかかり)17:30に無事帰宅。

今回の山行の感想は・・・
今シーズンで霧氷は一番状況が良かった
・距離が長かった!(鎌尾根に匹敵!)
・ワカンでの氷に覆われた岩場の急登が課題
・次回は晴れた日に登るぞ!

コースタイムとコース標高グラフ・ルート図は以下のとおり。


8:05自宅出発
9:10登山口公園(水木谷林道の起点)駐車場着
9:20登山口公園出発
9:38竜王山登山口9:50
(衣類調整&アイゼン装着)
10:46竜王山山頂10:52
11:15高圧鉄塔P842通過
11:40 P913通過
11:49 P917
11:56残り距離表示(綿向山1:15竜王山0:50)
12:11行動食&ワカン装着
12:26P962手前の登り・・・トラロープ
その後にシャクナゲエリア
13:15イハイガ岳分岐
13:25幸運のブナ
13:31綿向山山頂
13:33山頂出発
13:34冬道分岐
13:47夏道通行止め
13:50七合目(行者コバ)
14:00五合目避難小屋14:20
14:33鹿避けネット出口
約10分迷走(水木谷林道)
14:45北参道登山口
14:47奥の平橋出合(非公式駐車場)
14:50巡視路入り口(LR152)
14:52非公式駐車地(高圧線下)
15:03林道車止め(鍵は無い自己責任)
15:10竜王山登山口
15:24登山口公園駐車場
15:41帰還準備(着替)完了帰路に着く
17:30降雪真っ只中の道をゆっくり走り帰宅
| 山登り::鈴鹿山脈 |
| 04:12 PM | comments (2) | trackback (0) |

コメント

竜王-綿向のコルからの登りは、やっぱワカンではアカン

坪足かアイゼン履かないとね
| 伊賀天幕番 | EMAIL | URL | 2011/02/22 06:57 PM | dKqd.oIg | 保留中コメント:0件

ワカンではアカン!?

確かに!良い経験でした!

せやけど、時間を意識して焦ってしまうとアキマセンなぁ。
心理的に余裕がないと物事何もかも悪い方に進んでしまう。
山ではそれが顕著ですわ。
技術や経験から平常心が身につくようになるのかな?
| 五代目 | EMAIL | URL | 2011/02/22 09:53 PM | RkWOqosk | 保留中コメント:0件



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