小春日和の黄蓮山(1010m)~平倉峰(1222m)~三峰山(1235.4m)周回::つばや菓子舗五代目ブログ

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五代目の四方山不定期更新日記
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2011年2月21日に伊賀遊歩塾で登った三峰山の山行記録です。(私は本年三度目)

(写真は平倉峰~三峰山で見つけたブナ)

あれ?道路工事?
パワーショベルが林道を掘って作業していた。

と、言うことは此処から先、車は通れない?
ここは津市美杉町川上(坂本)。
櫛田川源流の坂本川沿いの林道。渓流料理の坂本小屋から少し先。

目の前では完全に道を寸断して作業が続けられている。
そういえば昨年初冬にここへ来た時も工事を少し先でしていた。
坂本谷撤退:http://blogn.tsubaya.com/index.php?e=56
山から里(浄水場へ)へ水を確保するための導管(導水)工事らしい。
作業をしていた人曰く、車は無理だが徒歩なら道を通れる。少し戻った所の路肩広場に車を止めて良いとのこと。
予定していた林道車止めまでかなり距離があるものの、ここから歩くことになった。

9:35駐車地出発
林道車止めは1.7km先だ。工事のおかげで林道歩きが3.8km(往路)になった。
我々の出発時、工事をしていた方にこう言われた
「ここから上まで登るのか?本当に?」と、二回も念を押された。
最後には「何時くらいに戻って?」と遭難の心配もしていただいた。

坂本谷から三峰山への道は一般登山道らしいが、今は三重県からは飯高北奥林道(福本、ゆりわれ、月出)、そして奈良県の「みつえ青少年旅行村」を起点とするコースが主流で、坂本谷を登る人は少ないようだ。
この理由は登山口までの林道が長く、途中崩壊&それが放置されており、崩壊地迂回で林道を外れ沢を渡渉したり、崩壊した不安定な場所をトラバースする必要があるからだと推測する。

そうそう、今回は伊賀遊歩塾の山行で総勢7名(男2/女5)。

小春日和の陽射しの中を30分あまり歩いて車止めに到着。

小休止をしてさらに林道を進むと急な坂とつづら折れの舗装路。
その後は坂本川にそって延びるガレた石が散乱する林道を登っていく


正面に三峰山北尾根が見えてきたが雪は多くなさそうだ。


林道の完全崩壊地を巻くために坂本川に降り、川の対岸を少し歩いて10:42魚止の滝到着

汗かきな私は林道歩きだけですでに汗だく。
10:50まで小休止。
日差しは暖かく風もない。

魚止の滝に向かって左斜面を登り、林道に復帰する。


ここからは2箇所ほど谷が崩壊して林道が抜け落ちている。

雪が載っていて歩きよいのだが解けてきているので慎重にトラバース。

駐車地から1時間30分経過。
やっと黄蓮(オウレン)山取付き点に到着した。11:04


黄蓮山は、西斜面を登る。
前回は林道終点付近まで回りこんだ所から登ったが今回は、少し手前から日陰で雪が残る急斜面を行く。

この斜面は日陰で雪が残っているが、雪の下では雪解け水が凍って、氷が下に隠れていた。

登り始めてすぐに前回の撤退ポイントを通過。
岩が浮いている場所では人が通った後の落石などに注意するために4~5m間隔をあけて登るようにしたい。

この場所で起こった遭難での反省点を忘れないようにしたい。

黄蓮取付きから山頂までは標高差200m余りを登っていく。

970mを超えると日陰斜面に雪。

雪は締まってモナカの一歩手前。そっと歩くと足首くらいまで沈む。
でも荒っぽく足を乗せるとトレースでも膝くらいまで沈んでしまう。

11:43黄蓮山山頂12:20
黄蓮山山頂に到着するが生憎展望は無い。国土地理院の地図上で黄蓮山は全山広葉樹林になっているが、実際はそうではなかった。
我々が登ってきたルートは、植林帯と原生林の境界の二次林帯でルートの北は植林帯だった。
喉の渇きを持参した麦茶で潤す。お茶は冷え冷えで少し寒く感じた。
リーダーから大休止とコールがかかったのでコンビニの握り飯を食べるが、喉に詰まりそうになってノツノツしてしまった。お茶は冷たいから嫌だなぁ・・・サーモスのお湯でカップスープを作って・・・ああぁ。。。お湯が無いんだ・・・
そういえば、腹も減ったなぁ。そうだ!カップ麺を作って食ってやろう!とお湯を沸かす準備を始めた。
この私の行動は予想外の行為だったらしく、一瞬メンバー全員に「白い目」で睨まれたように思ったが、すかさずリーダーが「そやな!もう昼時になる!もう、ここで昼飯にしとこ!各自昼食や!」とフォローしてくれた。物忘れは激しいようだが優しいリーダーであった。

各自カップ麺を中心とした昼食を食べて12:20黄蓮山山頂出発。

ここでリーダーからトップを歩くように命じられる。
往路でトップを歩くのはラッセル以外で初めてだ。緊張する。

1010mの黄蓮山から1222mの平倉峰までは北斜面の尾根。

整備された登山道のようで非常に歩きやすい。(実際は整備されているのか?)
これ以降は私は写真を撮れなかった。
私がトップを歩いていた時の写真は我が師匠のブログに一枚ある。
参照→坂本川上流 黄蓮西尾根から平倉峰北尾根~三峰北尾根周回

休憩後で元気になった私は快調に歩いて行く。
すると後ろからリーダーの声!
「トップのピッチが早過ぎる!もっとゆっくり!」
「へぇ~い!」
・・・実は斜面を登りだした途端にかなりシンドくなっていたのだ(^_^;)

緩やかな斜面を登り一つ目のピークに到達すると「黄蓮山1010m」という山銘板。
この地点で高度計は1070m。勘違いで設置された?

平坦~下りになると私の歩くペースはまた早くなっていた。
ここでまたシンガリのリーダーから「トップ!早い!そんな歩き方ではアカ~ン!最初から最後まで同じペースで登るんや!」と言われてしまった。
うむ、実に私は未熟者だ。正直言って再度登りになった途端にまたシンドかった。このシンドイ状態を記憶しておいて最初から最後までゆっくりペースを落として歩くのだ。と意識して「ゆっくり」歩く。
ゆっくり歩くと良い事がある。景色が良く見えてルートファインディングする余裕が生まれる。

尾根を行くとやがて目の前に急登斜面が出現した。
斜面には太いロープがフィックスされている。
先週の綿向山でも痛感したが、岩場が濡れている時や今回のように凍っている時に、非常にありがたい。

この急斜面は日陰になっている時間が長いためか、土は凍ってガリガリだ。
時折、崩壊した小石が浮いていたので、後続に落石の恐れありと伝える。

また雪も所々に残っている。でも、先週まとまった雨が降ったり日中の気温が高かったりしたせいで雪解け水が凍りツルツルのアイスバーンな場所もある。
ツルツルのアイスバーンを嫌って雪面を利用しようとするが、急斜面で解けて凍った雪は硬くて軽く蹴るだけでは登山靴の爪先が刺さらない。蹴り直そう!と思いっきり雪をキックしたら「ガスッ!☆ミ!」氷が割れ下から隠れていた岩が・・・右足の爪先が!!爪が!!声にならない雄叫びをあげて一人「うーん」と涙を流していた。爪先がしばらくジンジン痛んだ。

雪が途絶えるとアイスバーン急斜面に切り替わり、アイゼンを付けていない登山靴では登ることが出来ない。
なのでフィックスロープが最後まで使えない。
そんな時はアイスバーンの無い場所を求め、また立ち木や岩にすがるための横移動も必要になる。
落ち着いてルートファインディング。右にある立ち木の上は大丈夫そうだ。
両手両足を使い、右に移動して立ち木や安定している岩を掴んで上によじ登る。

ピークを乗り越えると少し降った?と思うが、まだ先は長く次の急登が目前に!
こちらは先程の倍以上の距離を登らねばならない。
こちらも太いロープが2本上下にフィックスされている。
前回同様に岩場急登の中間部で雪斜面をキツメに蹴りこんだ瞬間!
「ガッっ!」・・・( ☆д☆ )・・・うっ・・・う・う・う・・・
先ほどと同じ爪先で、また岩を蹴ってしまい、目から星が飛び出した。
あまりの痛さからトップ脱落。後続のオネー様に交代してもらい傷みが和らぐまでじっとしていた。

ルートファインディングの重責から開放され、ここから写真復活。

その後は少し痩せたツートーンカラーの尾根。

1本の尾根でも西側は風上で雪の付きが悪かったのか?すでに雪が溶けて地面が見えて茶色。
東側は風下の雪溜りで雪が深かったおかげで白い雪が残っている。

尾根の西方向、ナラ、ヒメシャラ、ブナの木立の向こうに展望があった。

足元に三重大演習林が広がり、その向こうに山々の連なりが見える。
右手前から、涸谷山、黒岩山、修験業山、栗ノ木岳。少し奥まって一番左に局ヶ岳。
登ったことのない山が目白押しだ。

平倉峰の山頂直下の尾根に差し掛かる。

この辺りの尾根東側は雪庇が残っていた。

黄蓮山山頂を出発して55分後。
13:15やっと平倉峰に到着した。山頂で雪の薄かった場所は雪が解けて地面が見えている。

それにしてもここからの眺めは絶景だ。

右手前で山頂が禿げて見えるは、学能堂山。

その向こう(中央)に大洞山と尼ヶ岳、ワシの巣、見通山。
さらに室生火山群の高槻山、三ツ岩、倶留尊山、二本ボソ、曽爾高原のススキ、亀山などが見える。

また、少し左(西)を向けば、

鎧岳、兜岳を後方に控え、古光山の麓に白っぽく「みつえ高原牧場」が広がっている。

13:26平倉峰を出発し、三峰山山頂を目指す。

復路は三峰山山頂から三峰山北尾根を下山する。
雪に覆われた尾根道を10分ほど歩いたら南に好展望。

後ろに大台ケ原を配し、迷岳や布引山を中心とした台高の山々が見える。

さらに10分ほど歩いて、歩いてきた方向を振り返ると木立の向こうに平倉峰が見えた。


平倉峰から三峰山までの稜線歩きは、約1.1km。

急な箇所は無く、穏やかな起伏を繰り返していく。




雪を踏みながら、ブナ林を楽しみながら、展望を楽しみながら、ノンビリ歩いた約30分後の13:55三峰山山頂に到着。
私は早くも今年この場所は三回目。
2011年1/17三峰山:不動谷(ヤブ)
2011年1/31三峰山 登尾コース(一般)
すべて雪の三峰山だが、それぞれが違う顔を見せてくれた。

我々が小休止していると山頂に男性三人組が登ってきた。聞くと八丁平で昼食を取って山頂に来たらしい。
今日、山で出会ったのは結局この3人だけだった。

しかし、我々のイデタチを彼らは何だと思っただろう?
三峰山で腰に簡易ハーネスを巻き、片手にはピッケル。しかも後に道標の案内板も無い、森の中に消えていく女性主体の山行集団・・・

ここで我がリーダーから下山内容説明。
・下山ルートは三峰山北尾根をひたすら下って弓木谷越のコルから坂本川へ周回
・北斜面は急斜面
・雪が残っていない場合はアイスバーンでアイゼン必須
・雪がしっかり残っていればピッケル&ツボ足でOK
・今、アイゼンを装着か、後で装着するか・・・各自の判断に任せる。
・途中でアイゼン装着の要請があれば小休止するのでその都度申し出ること。

「はーい」と返事してアイゼンを付けだしたのは私だけ(^_^;)
雪の下に氷が隠れているのでは?と用心しての判断だった。
まぁ、そんなヤツが居てもよいだろう!

14:05三峰山山頂を出発した。
下降開始点は、三峰山山頂にある山座案内板の右手の森だ。

(これだけ前回登った時の写真です。)
森に入ると「あ!?トレースがある!」「え?このルートで降りる人いるの?」と皆で「???」とトレースに付いて行ったら、トレースの先に雪に黄色く雪解けしたお印が・・・どうやら、トイレのために残ったトレースらしい。

三峰山北尾根の降り始めの斜面は大量に雪が残っていた。

しばらく降りると尾根は左右に広がる。左に進路を取ってしまうと、今年1月にもがき苦しんだ不動谷へ降りてしまう。
なので右手に進路をとっていく。(赤テープがあった。)

傾斜角はドンドンきつくなり40度以上になる箇所も!

雪は締まっているもののツボ足でザクリと腿近くまで沈み込む事があると、身伸前方宙返りしそうになる。

尻セード?と期待していたが余りにも樹間ルートの急斜面が長く、木に激突したり止まれない事態になりかねないので今回は誰も尻セードは実行しなかった。
雪の下に氷?と思ってアイゼンを付けていたが、雪が深すぎてアイゼンの意味無し!
しかも先週の竜王山と同じで雪に湿気がありすぎて、私のアイゼンは高下駄状態。

でも、風上で雪が削れたのか分からないが雪のない場所は往路の平倉峰であった斜面のようにアイスバーン混じりだ。

こうなるとアイゼンが役に立つ。でも全体の10%くらいの「ありがたさ」だったかも?

山頂から弓木谷越下降ポイントまでは約2kmで、その半分の1235.4mから960mまで、ずーっと下りだ。
下りに慣れた所で990mの小ピークへ登り返す。

その後、938mまで降ってP959まで登り返す。

下山ルートでは、このような登りが辛い。

15:00下り始めて55分。ほぼノンストップで弓木谷越のコルまで来た。

この日は平地で10℃を超える気温と予想されていた。
ここまでずっと、ほぼ無風で陽が当たる場所は小春日和だった。
下山路の北尾根は日陰ながら無風。足早に歩き通すと流石に汗だく!
汗をぬぐい、給水して、アイゼンを外した。

15:11弓木下降点コルを出発

ここからは植林帯の仕事道を拾いながらジグザグに急斜面を下っていく。
木が詰まった植林帯に雪は無い。
降り始めてすぐに作業道が不明瞭になり、間伐材の上を乗り越えて垂直にショートカット。
その後、また仕事道が右手に現れてジグザグに下っていく。

140mの高度差を10分あまりで下り、メデタク坂本川に出た。

渡渉箇所も良い場所で誰も水辺て焦る事もなく、往路で歩いた林道に戻った。

ここからは林道を2.5kmテクテクあるく。

当初の予定通り16時に工事現場のパワーショベル横を通らせてもらい駐車地に帰還。

ご一緒していただいた先輩諸氏の皆様!
ありがとうございました!m(_ _)m

これで坂本川を中心として黄蓮山~平倉峰~三峰山をめぐる周回コースの踏破完了!
昨年の初冬に涙を飲んだ悲願のルート完成だ!(そんな大袈裟な?)

距離は12km。所要時間は6時間30分(休憩含む)
道路工事が無ければ5時間30分だったはず。

歩行ルートとコースタイムまとめ

※以下()内の数値は海抜高度

9:35駐車地(400m)出発
10:02車止め(515m)10:08
10:42魚止の滝(700m)10:50
11:04黄蓮(オウレン)山取付き点(760m)11:10
11:43黄蓮山(1010m)山頂12:20
13:15平倉峰(1222m)13:26
13:55三峰山山頂(1235.4m)14:05
15:00弓木越下降点コル(780m)15:11
15:23坂本川出合(640m)
15:40車止め
16:00駐車地


・・・個人的反省・・・
汗かきな私は、もっと着衣を薄着にしなければダメだ。
どうしても伊賀を出発するまでの寒さに合わせた着衣のままで登って後悔している。
もっと思い切らねば!

一番反省しなければならないのは、歩くペースだ。
トップを命ぜられ緊張したこともあったが、休んで体力が戻ったりすると歩くペースが上がり、やがてバテて自爆していた。
特に登りは最初からバテた時の苦しい状況のスピードで歩くべしだ。

それにしても伊賀遊歩のメンバーの林道歩き(復路)のスピードは、いったいなんなんだ?
GPSログには平均速度7km/h!平地の歩行スピードが4km/hと言われているから約2倍!
普段から運動不足な私にはついてイケませ~ん(;´Д`)
| 山登り::高見山地 |
| 01:53 PM | comments (2) | trackback (0) |

コメント

まいどです
ううむ、さながら私の心理状態をそのまま移し込んだようなレポ

寝言にでも言ってしまったのを、誰かに聞かれたのだろうか(><)/

平倉峰への登りで五代目のペースがやや乱調だったのは、うしろについたマダムに、たぶん煽られたからですね(^^)b

そういう時は、ほい、ラッセル交代頼む、と言えばいいのです

ゆっくりマイペースを追求して下さい

朝の6時も,夕方の6時も同じペースで歩く事が大事だと、私は思っています

スイスアルプスへ行けば、ガイドに口酸っぱく言われますからね...「イーブン ペースが大事!」とね

次に三峰北尾根を歩く時は、ぜひノーアイゼンで試して下さい
| 伊賀天幕番 | EMAIL | URL | 2011/02/23 06:27 PM | dKqd.oIg | 保留中コメント:0件

>ううむ、さながら私の心理状態をそのまま移し込んだようなレポ

ですか?
弟子としては嬉しい事だけど・・・20歳(も!)年下の者としては・・・親子でもおかしくない?

>寝言にでも言ってしまったのを、誰かに聞かれたのだろうか(><)/

いや・・・ネコの下敷きになって動けませんでしたし、鶴の恩返しに
ならないように決して近づきませんでした!

>平倉峰への登りで五代目のペースがやや乱調だったのは、
>うしろについたマダムに、たぶん煽られたからですね(^^)b

いえいえ、実は、後ろのパーティを置いてけぼりにして
雪を蹴ってラブラブな二人きりの世界を楽しんで!
(´∀`)うそぉ~ん!

>そういう時は、ほい、ラッセル交代頼む、と言えばいいのです

あ、それもいいかも!後ろから蹴りを入れられるだけじゃ
| 五代目 | EMAIL | URL | 2011/02/23 11:03 PM | RkWOqosk | 保留中コメント:0件



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