入道ヶ岳(915m)イワクラ尾根~宮妻林道::つばや菓子舗五代目ブログ

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五代目の四方山不定期更新日記
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私は尾根歩きが好きだ。特に山好きに「鈴鹿」と呼ばれている三重県と滋賀県の県境稜線尾根は、眺めも良く爽快だ。でも鈴鹿山系に含まれている野登山、雲母峰、入道ヶ岳は県境稜線から外れている。なので私の登山対象にしていなかった。でも、地図を眺めていると、宮妻林道から鎌尾根を周回する際に使っている水沢峠を鎌尾根とは反対に進めば?
調べてみるとイワクラ尾根経由で入道ヶ岳に行けて宮妻林道へ戻れる!
と、いうわけで水曜日に時間が出来たので鈴鹿セブンマウンテンのひとつ「入道ヶ岳」を単独で登ってきた。

(県境稜線から眺める入道ヶ岳)



9:00宮妻峡キャンプ場を通り越してカヅラ谷の駐車地に車を止める。
天候は晴れているが、予報では「晴れ時々雪」。
ここ数日、山では雪が降っていたらしい。
服装と装備でしばらく悩んだ。
道中の車窓から鎌尾根を見上げると雪庇が残っているらしい・・・
モンベルのジオライン長袖シャツの上にレインウエアを羽織り、風の通りにくい化繊ズボン+スパッツ。汗取りのバンダナを頭に巻いて、念のためにアイゼンとピッケルはザックに突っ込みいざ!

9:25カヅラ谷駐車地出発

ご覧のように車が私以外に4台。キャンプ場の駐車場にも2台あるのが見えた。流石に鈴鹿セブンマウンテンの鎌ヶ岳(鎌尾根)と入道ヶ岳!人気がある!(と、言いながら、この日、私は山で誰とも出会わず)

雪がついている入道ヶ岳を右手に眺めながら宮妻林道を歩いていく。

歩いていると雪が降ってきた?あ?晴れた?また雪?と本当に天気予報どおりの「晴れ時々雪」
風が強く吹き始めると木々が「ゴーゴー」と鳴るほどだ。

9:55水沢峠登山口到着。

先日の黄蓮山~平倉峰の際に師匠から注意を受けていた「ゆっくり登る」を実行していたのでバテること無くここまで来た。しんどくなかったので、そのまま登山道に入る。
水沢峠直下のコルまで登山道に殆んど雪は無く歩きやすい。

進路左に見える稜線がイワクラ尾根だ。

水沢峠から県境稜線を経由して折り返してくるのだが、我乍らご苦労なルートを登ろうとしている。

水沢峠に近づいてくると雪の量が増えてくる。

まだ新しい雪で5cmくらい積もっている。その雪質は重い。
真新しいトレースが登っている。3~4人くらいの人数だろうか?

10:46水沢峠に着いた。風が「ゴーゴー」。

「えらい風やなぁ。」と思わず独り言を言ってしまう。
汗ばんだバンダナをザックに仕舞い、耳が隠れるビーニー帽を被り、防滴グローブをメリノウール手袋の上にはめる。
稜線上の雪は新雪。吹きっさらしの水沢峠の雪の下は凍って居ない。この分だとアイゼンもピッケルも要らないだろう。
ただ風が凄いのでショルダーハーネスに付けていたコンパスとホイッスルをザックに仕舞い込んだ。小さなコンパスでも暴風で顔に当たると痛いのだ。

10:51水沢峠を出発
水沢峠まであったトレースは、すべて水沢岳の方向(鎌尾根)を目指したらしく、宮指路岳方向にトレースは一つも無い。

フカフカの新雪に自分だけのツボ足が残せる楽しさ!

振り返ると雪で白い水沢岳(宮越山)

前回の山行時は腰までの雪で岩場はカリカリに凍っていたナぁ。

県境稜線からイワクラ尾根分岐が近づいてくる。

(左奥の丸みがある山が入道ヶ岳)

県境稜線は雪がタップリでスキップしながら行く

日差しは春なんだけど、この日は風はゴーゴーなのだ。
その証拠に雪庇が伸びていく瞬間も見れた。

デカイ電波塔を2つ乗せた高円山が見えてきた。

程なくして尾根分岐に到着。11:20

まっすぐ(道なりに)進むと宮指路岳。今回はここで左折してイワクラ尾根に入る。
ここで小岐須名物の通報ポイント看板が始まった。

この場所から携帯電話で通報できるわけでは無い。下山して通報するときの目安なだけだ。
この場所の樹間から水沢岳の左に雪で白い山が2つ見えていた。

もちろん右に見えているのは鎌ヶ岳
左の白いデカイ山・・・

苦労してやっと撮影に成功したこの山は雨乞岳だ。雪で真っ白だ。
その左にまだ白い山がもう一つあるのだが後で撮った写真で綺麗なのがあるので後で出てきます。
イワクラ尾根を歩いていくと痩せ尾根の前半戦は雪がクルブシほど積もっていた。

イワクラ尾根と言うだけあって磐座が出てきた。

イワクラ尾根をさらに進んで振り返ると水沢峠の後ろに白い山が2つ顔を出した。

右のデカイのが先ほどの雨乞岳。左の山は綿向山だ。
まだまだ雪がかなりあるようだ。

鎌尾根や鎌ヶ岳も綺麗に見える。

白く光っている稜線は雪庇だ。

鞍部から登り返してP874を越したら12:02磐座(いわくら)仏岩に到着した。

すでに腹ペコだったのだが道中の雪は水分タップリで雪が薄い所はビチャビチャ。
そんな所で座りたくなかったので岩場で風のない場所を探していた。
ここでいいか?と仏石の手前の岩場に陣取って昼食。

今日はカップ麺。

それと餅を焼く。

でも風がマシな場所を選んだつもりでも今日は無風にならず!このままじゃ餅は焼けない!
こんな時は風よけ!

一気に焼けました!(苦笑)
焼けた餅はカップ麺に放りこんで食べます。
スープが足らない場合はカップスープをぶち込んでお湯を足します。
この日はビールも持って上がっていたのですが流石に寒くて・・・ビールは飲まずに仏岩を12:44に出発。

歩き出してすぐに「重ネ岩」到着

この岩の陰のほうが風が当たらなかったような・・・

イワクラ尾根をドンドン進むと右手に視界が広がる。

左が野登山で中央は仙鶏尾根。右手が仙ヶ岳だ。

進路上に虎ロープが張られ「とうせんぼ」?そうじゃなくて・・・

少し先で尾根が崩壊していて通れないのです。右に巻き道がありました。
何箇所かこういった崩壊した尾根がありましたが、極めつけは「松の木谷」出合いにある大岩上部。
ここの写真は撮り忘れてのですが、大岩に乗る直前の部分が崩壊。大穴が空いており人がスッポリハマってしまえる穴。下はガレて数メートル落ち、そこからザレた斜面をかなり落ちて行く。しかし、その前後は木の根っ子で辛うじて薄い土。
ここに雪がついて埋れていたら・・・おそらく、落とし穴のように居たはずの人が消えてしまうのでしょう・・・

鞍部に向かってドンドン降りていきます。目前に迫っている入道ヶ岳・・・

見るからに登り返しがキツそうです。
実際、近寄ってみると遥か彼方上から一本の虎ロープがフィックスされている岩の直登ルート!

ここは風が吹き抜ける場所らしく、ゴーゴーと風が音を立てていました。上体を起こすと吹き飛ばされそうになったので風に耐える姿勢で凌ぎます・・・風が少しマシになった時を待って手足を総動員させて三点確保で登ります。
アイゼン?地面は凍って居なかったので必要無かったです。
急登を越えると眺めのよい尾根をドンドン登って山頂を目指します。


足元がフラットになってアセビの森に突入

標高900mの北西尾根・・・ここは雪がいっぱいあってフカフカの深雪!
トレースは一つも無くスキップしながら山頂を探します。
適当にピークを目指して登って行くと目の前の展望が開けました。

「おお!あれはガイド本に掲載されている「入道ヶ岳山頂の鳥居」ではないか!?よし!行ってみよう!」
と、少し降って見ると進路左(東)に踏み跡があり、そこを覗いてみると小さい鳥居と社が?

立て看板があったので読んでみるとここは椿神社の奥宮だった。
(実はルートの位置関係は地図で確認してきたのだが名所?建造物などは何も予備知識無しで登ってきたのだ)
奥宮の前を横切って東に向かう踏み跡があったが、ここは大鳥居を目指すために南下を続ける。
道中は低く短い笹原でアセビの花が今にも咲き出しそうな状態になっている。

(宮妻林道のアセビはすでに咲き始めている)
笹原の底に降りると案内標識があったがどうも要領を得ない。


やっと13:44入道ヶ岳の山頂(三角点905.54m)に到着です。
大鳥居から南東を見下ろして見るのですが雲母峰の方から雪雲がドンドン流れこんできて四日市市方面は展望無し。

でも野登山のある南西の津市方面は展望が良い。

野登山の東面の石灰鉱山はエライ事になっている。

人間の需要というか欲望は山を削りとってしまうのだ・・・伊吹山もそうなんだけど・・・

石灰鉱山から西に視線を移していくと野登山の電波塔があり、仙鶏尾根が見える。

仙鶏尾根の向こうの山は四方草山だろうか?
仙鶏尾根を右(北)に辿っていくと仙ヶ岳

来シーズンは雪の仙ヶ岳をアイゼンで登りたいと思っています。
北の頭方面へ向かいたかったのですが踏み跡が不明瞭だったので笹原の底に一旦降りて、往路で見つけていた奥宮前の踏み跡をを経由して北ノ頭方面へ向かいます。
すると暴風&雪が!

これは吹雪です!

今降った雪ではなくここ数日の雪ですが雪の吹き溜まり地帯に足を踏み入れると膝下くらいまでツボ足に!

北の頭に到着。画面左は今登ってきた奥宮。

上の写真で右から伸びている稜線の鞍部から左が本日楽しんだ水沢峠からイワクラ尾根です。

下山ルートは宮妻林道を降りることにしました。なので北尾根ルートを途中まで進みます。

本当は谷ルートを降って黄色い福寿草や白い節分草を探そうと思っていたのですが雪が吹雪いている今日は花が雪で埋まっていたり閉じてしまっているのでは?と思い、一番楽に降りるルートを選択しました。
北尾根方面を歩いていると雪がやみ青空が!四日市市方面が見えました!

すると鎌ヶ岳の向こうに御在所山も見えた!

粘ってみたけど山頂の雪雲は取れなかった!

私の下山ルートは下の写真のように

フカフカの深雪&アセビのヤブ?
分岐の看板がありました。
右に進むと宮妻キャンプ場。

カズラ谷駐車地に車があるので左の宮妻林道方面へ進みます。
短い笹原の踏み跡は雪解けの水でドロドロ。なので道を避けて笹原を下ります。
分岐から10分ほどで宮妻林道に出合いました。

ちなみに林道出合の直前。登山道がガレて崩壊して一瞬躊躇しましたが、冷静に少し戻って立ち木を利用すればちゃんと降りることが出来ました。
林道を一人でテクテク降りていくのですが、緊張感の無い所って退屈ですよね。時折振り返って降りてきた山を見上げてみたりしますが間が持ちません。

カラオケで歌おうかな?なんて車の中で歌っている歌を誰もいない林道で口ずさんでみるものの一番の歌詞と二番の歌詞がゴチャゴチャになっている自分が居たりして情けなくなって・・・トボトボ・・・・
おや?なんだかネタっぽいものが!?

近寄って見る。

どうやら砂岩の中に丸い岩が埋もれていて、それが雨などの浸食作用で取り残されたキノコ状のオブジェだ。
そうだ!このオブジェに名前をつけてブログで発表して鈴鹿の新名所に!?と思ってみたものの、形が中途半端でイカシタ名前を思いつかず、悶々としながら林道を下山。
すると左手の山から雪解け水?おっと?綺麗な氷柱がありました。

何の木か知らないけど木が折れて谷に落ちて、その枝が雪解け水に僅かに浸されていたらしい。
さらに歩いていると春を告げる黄色い花が咲いていた。

マンサクの花だ。怪しげな花弁だが眺めていると愛嬌を感じる。
一枝持ち帰って・・・と思ってみたがここは国有林。草木すら一枝持ち帰ると犯罪だ!

やがて水の音が大きく聞こえたきた?と思うと目前に潜水橋と砂防堰堤(?)

橋を渡りきった所に「通報ポイント奥ノ沢1」の立て看板が!
この沢を登って行くと「奥の沢」・・・このルート・・・地図上では水沢峠へ登っていく正規ルートの様な・・・
また時間があるときにこのルートの検証をしてみたい。

ここから3分下ると水沢峠登山口。
さらに25分ほど下るとカズラ谷駐車地だ。

車まで戻ってきたら、また吹雪。
ちなみに私の車だけが残っていて他の車は帰還済み。

登山靴を脱いで、分厚い靴下や手袋などの洗濯するものをビニール袋に突っ込んで・・・と荷物を整理していると着ていたレインウエアに雪が積もっていた。
明日も雪が降るようだ。どうやら彼岸が来てもまだ鈴鹿の県境稜線は雪が残っていそうだ。

ルート図およびコースタイムは以下のとおり。



9:25カヅラ谷駐車地出発
9:55水沢峠登山口
10:46水沢峠10:51
11:20尾根分岐
11:48奥ノ谷・大岩谷出合い(鞍部)
12:02磐座(いわくら):仏岩12:44
12:47磐座:重ネ岩
13:05松の木谷出合い
13:30入道ヶ岳(915m)奥宮
13:44入道ヶ岳山頂(三角点905.54m)
14:01奥宮
14:10北の頭
14:23宮妻新道・林道分岐
14:34宮妻林道出合い
15:12奥ノ谷(奥ノ沢)登山口
15:16水沢峠登山口
15:40カヅラ谷駐車地着

標高図は以下です。


2011年3月9日
約12km
7h15m(休憩・昼食+写真撮影時間込)
| 山登り::鈴鹿山脈 |
| 11:22 PM | comments (0) | trackback (0) |

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