本沢川:白倉又谷::つばや菓子舗五代目ブログ

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五代目の四方山不定期更新日記
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2012年6月11日
台高は本沢川:白倉又谷に行ってきた。

この沢登り山行はコース決定までに紆余曲折があり、最終的に師匠とM氏と私の男三人だけで行われた。

それなら!と早朝出発&現地集合じゃなく、前夜泊で宴会→翌日山行!そして、行き帰りの道中で温泉湯治も盛り込んだ。
伊賀から台高の本沢川:白倉又谷へのアプローチ:吉野郡川上村の大迫ダムを目指すのだが、榛原市から国道370号線→国道166号線→国道169号線を経て、大滝ダムを越え→大迫ダム(伊賀から国道165号線を経由して目的地まで100km)。

今回はこの道中、大宇陀市の「あきのの湯(700円)」にて温泉湯治。

その後に目指すは、国道169号線の大迫ダム入口からダムサイトを横切り、筏場という場所の車止め。筏場は国道から11km余り(時間にして30分ほど)だが、今回は師匠の復帰を祝して、その途中の大迫ダム湖畔某所でテントを設営。
19:30頃からよく冷えたビールを片手に焼き肉宴会が始まった。
春のようにタラの芽は無いけど伊賀肉、そして鶏唐揚げなどを伊賀市内でM氏と仕入れてきた。
師匠は豆腐と味噌ダレ、自宅で収穫した山椒の葉を持参。フライパンで味噌田楽をふるまってくれた。
ワイワイと各自の好きな日本酒や焼酎をグビグビ飲んで、気が付けば23時を過ぎていた。明日の山行に響く!と慌ててシュラフに潜り込んだ。一晩中、両サイドの御仁の大きい寝息と湖畔のカジカガエルの音が聞こえていたような・・・

6:20・・・2時間ほど前から外が明るかったが、ついにその明るさに我慢が出来ずにゴソゴソとテントから出る。
湯を沸かしミニカップ麺と握り飯を食べ、モーニングコーヒーを飲んでからテント撤収。

7:40頃に筏場の管理事務所へ行き、駐車料金を払おうと呼び鈴を鳴らすがが誰も出てこなかった。(この日は徴収されずじまい)

筏場駐車場に着くと主の居ない奈良県ナンバーのレガシーが一台あった。釣り師だろうか?

8:15沢装束に着替え、車止めを越える。

当初は林道終点から白倉又谷の馬ノ鞍谷分岐を過ぎたあたりで撤退する事にしていたが、予定よりも早い時間に出発できたので、本沢川出合いから入渓。


今日の沢は石灰岩が多く、赤茶色の濡れた河床はヌルヌル滑る。

アクアステルスのラバーソールを履いてきた私にはキツイなぁ(;´∀`)

おおお!
この浅いのにアクアグリーンとブルーの中間の得も言えぬ淵の美しさはいったい!?

この美しい淵の色を台高ブルーと呼ばせてもらおう。

小さなヌメるナメ滝や斜瀑が出てくる。

こんなところ泳いでしまえば、楽勝で小滝を滝芯シャワーなのだが、

朝の冷え込みがあった今日は寒く、出来る限りヘツって水に入らない(^_^;)


標高500m地点でヘツれないゴルジュの淵に遭遇。

お股を濡らしたくない一行は、左岸の立った斜面に逃げ道を求めたのだが、さぁこれが大変。
左岸の上に林道なのだが、林道直前で行き詰まったのだ(=o=;)
状況としては師匠は楽なルートを探しに河上の少し先を登って居た。

M氏の後続に私。
M氏が行き詰まった現場は、プチ崩落で山土がゴッソリ落ちて杉の根が露出しているオーバーハング。
クライマーなM氏は、身軽にヒョイ!とオーバーハング越えて林道に上がったのだが、重量級な私はそれが出来ない。

M氏はスリングを用意して私を釣り上げてくれようとするのだが、身体が硬く、重い私はオーバーハングの場所で足は宙を蹴って全然登れない(-_-;)
M氏は私を一生懸命引っ張ってくれたのだが、結局は別ルートで林道に出た師匠が私の足を引き上げてくれて脱出完了。
この時、私の短パンは赤土でドロドロ。オマケに首からぶら下げていたデジカメのボディ前面に引掻き傷が2本入った。名誉の負傷(=o=;)チガウカ・・・
※この脱出場所は、本沢川の本流出合いから白倉又谷の林道終点までのほぼ中間点だった。


気を取りなおして林道をテクテク歩く。出来れば沢に戻りたかったのだが、道から河床へは急斜面過ぎて沢に降りることが出来ない。10分ほどで林道終点とのことだったので林道終点まで歩いた。

林道終点に着くと仕事道へ続く支流を渡る木橋が腐っていた。

その手前、左斜面に踏み跡があったのでそこから白倉又谷の河床に降りて小休止。
小休止後はいきなり胸まで水に浸かって対岸へ渡渉。

ここの淵に磨かれて皮が剥けた丸太が沈んでいて師匠は器用にその上を渡って行ったが私は覚悟を決めてザブザブと水中歩行(;^ω^)寒い~!

でも次の淵はゴルジュの底が深緑色でかなり深そう。

こうなると足を入れることを躊躇させられる。
川はS字の岩の屏風を縫うように流れている。
屏風の岩を越えたら

その向こう側の屏風の岩のリッジだけしか登れるところがない!(=o=;)マジカヨ!
クライマーのM氏は、ほな行くわ!とヒョイヒョイと登ってしまった(´∀`)スッゴイ!

そしてM氏の出してくれたロープにプルージックを引っ掛けてゴボウヌキでリッジを登ったのだが、苔があって滑るのよね(=o=;)

なんとかこのリッジを登りつめると、あれれ?行き止まりやん(;´∀`)マジカヨ
師匠が細い木にスリングを掛け、それを手がかりにして先端から向こう側にヨイショと降りていく。
それを上から見ていると降りる場所は足場が脆く、師匠の足のおいた場所から人の頭くらいの石が転げ落ちていった(^_^;)
でも度胸を決めて降りるしかない!
降り立った場所で振り返れば、どうやらリッジを登らずとも少し手前から楽に巻くことができたようだ(=o=;)

先に進も・・・ヾ(゚Д゚ )オイオイ、なんじゃこら?

5mを越える斜滝の上に直瀑・・・15mクラス!マジかよ!
近づいて見ると

「ドーーーーッ!」
圧巻ですな(;・∀・)
ここも流石に登れません。
右岸しか巻く場所ありません。ルンゼから取り付いて

木の根と笹を掴んで大きく高巻。

巻いていると左から浅いけど滑りやすいスラブの谷。これを越えるがフリクションの良い場所を探さねば、ちょっとイヤラシイ。
巻き終わって滝の落口の上に出た。


苔のついた石灰岩の岩の上を歩いて行くと、

また何やら足の長い滝の気配がしてきた。

右手(左岸)から支流。細いけど何段もあって長い滝が落ちてきている。

本流は直瀑でドーンと水が落ちている。

梅雨入り前でこれですわ!

そして滝が集まっているこの淵の深そうな事!(=o=;)

落ちたくないなぁ

このすぐ後ゴルジュが滝で詰まって

高巻き開始。
右岸の急斜面をM氏がザイルを引っ張って先行。

25mほど登って最上段でセルフビレイ&フィックス完了。
それを滝の側で見上げていたのだが、エキスパートなM氏でさえ落石を数個落としてきた(=o=;)
師匠が「ワシ、二番手登らせてね。あんさん、ザイル回収でシンガリね」と師匠がイテテテと言いながら登っていった。
師匠が登っている間、落石対策で岩陰に隠れ、対岸を眺めていたらデカイ白い花が咲いているのを見つけた。

ホオノキの花だ。
私の番になったのでホイホイとザイルを手に巻きつけて上に登っていく。
一番上に到着するとそこはコケだらけの脆い岩。
師匠が「ここは一旦左にトラバって、上に岩がない場所に出たら、さらに上へ登って右へトラバースね!」
ふぇ~い!と師匠に着いて行くと植林帯。
「はい、ここからリードよろしくね」と私が先頭。

ふむふむ、登って右へトラバ。
高く登るとシンドイなぁ・・・お!登らずとも?仕事道のような?いや、ケモノ道!
植林帯の動物の踏み跡を通らせていただく。

沢が見えるようになってから選手交代で師匠リードで沢へ降りた。

降りた場所は巨岩に通せんぼされた場所。

「これはどうやって進むんやろ?」と師匠が聞いてきた。
「確か岩の下を潜れたような・・・」「ほんまか?」
入口から左に水中から露出している岩の上を歩けるのだが、小滝の落ちている所は小さな釜があり、しぶきで底が見えない。
この釜、実は腰の深さがあった(^_^;)

水が落ちている中に突っ込んでシャワー!(^^)
やっぱり沢はこうでなくては!!

このあとは並流となって台高ブルーの釜

水中にはカジカガエルのオタマジャクシ?

石灰岩の侵食された穴から湧水がコポコポしている。

左岸に仕事道。右岸に1m余りの高さからの湧き滝

(写真は通りすぎてから撮影している)
湧き滝の先にある日当たりの良い場所でザックを下ろして昼食にした。
今日の昼ごはんも「釜揚げうどん」。水温の低い時期に仲間でワイワイと簡単に食べられて便利なメニュだ。
あとはスーパーで仕入れた稲荷寿司も3人で分けて食べた。

40分ほどの昼食を終えて再び沢に入ると生乾きのスパッツが尚更冷たく感じる。
並流のナメ滝を数カ所越えていくと

右側(左岸)からデカイ滝が落ちてきた。

10mはユウにあろうかという斜滝。綺麗な滝で釜も綺麗だ。

師匠曰く、この滝が白倉又谷本流出合いで、ここから先は馬ノ鞍谷になるそうだ。
この出合いの滝が今日の終了予定場所なのだが、逃げ場所が無いので少しだけ馬ノ鞍谷に入った。
トイ状の滝を越えて

左岸(右側)の取付きやすそうな場所を吟味。

ルンゼを詰めることにした。

ルンゼの途中から先頭交代で私がトップ。
右上にケモノ道を辿れば少し上に仕事道らしい場所を発見。これがビンゴで左手(西)へ続いていく仕事道に乗る。
笹薮を沢方向へ下っていく。
すると、どうだろう?なんじゃこりゃ!と思わず笑ってしまった私が居た。
だってこんな滝が広い場所にひょっこり現れるなんて!

あ・・・比較対象が無いとよく分かりませんね。
師匠!比較モデルでこっち来て!

そうそう!見上げてください!
ここの滝、落差25mだとか30mだとか言われている白倉又谷大滝だそうだ。
しばし見入ってしまった。
さぁ帰ろう。
大滝の流れていく先=「ここが白倉又谷の出合いの滝やで!」と師匠が教えてくれた滝の落口。

この左すみに下山ルートの仕事道があった。

最初は笹薮の細い踏み跡。

この踏み跡を辿っていくと自然と谷に降り立つ・・・

あれ?ここは今日の昼飯ポイントやん!(^_^;)
見事に昼飯場所に着地(^_^;)

湧き滝の対岸に丸太橋の残骸らしきものがあり、その向こうに飯場跡がある。

(飯場跡)

飯場跡からは明瞭な広い仕事道。

最初はジグザグと登って支尾根を乗り越える。
きれいな植林帯を降り始めると索道の残骸と苔むした丸太3本。

そして師匠がいちおしの湧水ポイント。

ここで持参した容器に湧き水を詰めてザックに入れた。

(台高のオオセンチコガネはまだグリーン?)
馬鹿でかい杉の木を右手見ながら下っていき、ジグザグに下り始めると「あっ!」と言う間に林道終了点に戻った。
この下山ルートの早いのは本当に驚いた。

そして林道終点から25分で駐車地に戻った。

先日の木梶川も台高だが私にとって実質的な台高の沢デビューとなった今回の白倉又谷の溯行。
本当の意味での台高の沢の凄さ、素晴らしさ、面白さを堪能させてくれた。
ひとえに師匠とM氏のリードとサポートのお陰である。感謝!感謝!

それにしても台高の沢は凄いです。
台高ブルーの浅い淵や、深いゴルジュと深い釜。
その中に濃縮されている滝!滝!滝!
鈴鹿の沢とは違った濃縮された地形とパワーが台高にはあったように思う。
今回の谷は、まだまだ入門編から少し上だと聞かされているが巻きの見極めやコース取りなど読図・状況判断力すべてにおいて、今の私には必死かも?(^_^;)(遡行グレード:2級、ピッチグレード:Ⅲ+、総合:中級※関西起点沢登りルート100 吉岡章著)。また機会があれば台高ブルーの沢を訪れたいと思った。


距離:6.641km(沿面:7.429km)
所要時間:5時間44分
累積標高差:+1334m -1332m

7:45筏場:駐車地8:15
8:18白倉又谷出合入渓
9:08脱出(ca.500m)9:15
9:31林道終点:再入渓9:38
9:42リッジ巻(ザイル)10:01
10:10高巻10:24
10:41高巻(ザイル)11:24
11:26巨岩穴抜11:32
11:39右岸湧水ミニ滝
11:40昼食(ca.730m)12:23
12:30白倉又谷分岐
(馬ノ鞍谷直進)
12:35溯行終了
12:43白倉又谷大滝
13:00昼食場所
13:03飯場跡
13:10湧水
13:35林道終点
14:00駐車地
・・・

ヒル情報・・・・これはこの後訪れた温泉で・・・(師匠?しばらく内緒にしててね)
| 沢登り::台高山脈 |
| 04:42 PM | comments (1) | trackback (0) |

コメント

この日はどーもごちそうさんでした

こんなだったら、腰が完治しても仮病を通すかな(^^;

昔は釣り目的で一人で歩いた谷なんですが、記憶がおぼろで、

違う谷歩いてるようで、じつに楽しめました

五代目、M兄に感謝です(^^)b
| 伊賀天幕番 | EMAIL | URL | 2012/06/13 07:22 PM | dKqd.oIg | 保留中コメント:0件



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