御在所:藤内沢第三ルンゼ::つばや菓子舗五代目ブログ

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五代目の四方山不定期更新日記
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通称、御在所『3ルンゼ』。冬の本谷と共にハードなルートで『イチゲンサン』お断りな場所。
まさか自分が冬の藤内壁(藤内沢)第三ルンゼを『楽しく』登る事ができたなんて!

連れて行ってくれた師匠と同行いただいた仲間達そして恵まれた天候・コンディションに感謝!
(写真は藤内滝手前を行く師匠)

実施日は2012年1月30日(月)
先週は雨天で鈴鹿某所の山行が中止になり、この日は2週間ぶりの山行となった。

御在所へのアクセスは名阪:亀山ICよりシャープ亀山工場横を通り、徳原北交差点で巡見街道(国道306号線)に進み、湯の山街道(国道477号線)を西へ走る。(水沢から菰野へ越える峠が狭くて大型車とのすれ違いが大変だったがバイパスが開通して非常に走りやすくなっていた)

鈴鹿スカイラインに入っても雪は特に無く、鳥居道山キャンプ場を通りすぎて橋を渡った先が冬季閉鎖ゲートだった。(1時間足らずで到着)昔は鈴鹿スカイライン料金所跡にゲートがあったとか。

ゲートの前の路上にはすでに8台ほどの車が止まっており、私が駐車するやいなや出発して行った5名ほどのパーティーがいた。

アイゼン、ピッケル、ヘルメット、ハーネス、スリング×3、安全環付カラビナ×3などの装備を準備。登山靴を履いていると師匠が仲間を乗せてやってきた。この日のメンバーは男2名(師匠と私)と女性3名の計5名。私の嫁さんは息子が風邪で家にいるので涙の自宅待機。(のちに軽いA型インフルと判明:予防接種していても軽く罹るらしい)
閉鎖ゲートを横から抜けて舗装路を1.2km歩いて(これが長い!(^o^;)蒼滝大橋を渡る。
橋の西詰めを北に入ると裏道登山道だ。

この白い雪のある道が本来は工事車両路で登山者通行禁止になっているのだがスカイラインが冬季閉鎖中は工事車両が入っていないので通らせてもらう。ここから藤内小屋まで1.2km。
坂を登った場所のバリケードもそのまま直進して通らせてもらう。建設中の大堰堤河床部(土のうの上)を通過。
堰堤を越えるとすぐに「七の渡し」の板橋を渡るのだが

橋に乗っている雪が凍っている。一人が渡っているとユサユサ揺れるので一人ずつ渡る。
すぐに「四の渡し」。

ここの板橋も一人ずつ渡って北谷右岸を登っていく。
中道分岐を通り越すと藤内小屋に到着。

途中で衣類調整で休憩しているのでそのまま先に進む。
小屋から藤内壁(沢)出合いまで600mほど。

北谷で日の当る場所で小休止。
日差しもあって、そよ風が気持ち良い。

写真の中央の一番低い場所は裏道を登り切った場所にある国見峠。
国見峠から左へ登っていく2つのトンガッたピークが目印の尾根が前尾根。
その前尾根から左に一旦下っている鞍部が今日登る第三ルンゼ。

休憩場所から振り返ると

伊勢湾を越えて知多半島まで見渡せる。

この日の雪は締まった雪に朝までに積もった雪が乗った状態だがトレースも十分にあって歩きやすい。
兎の耳の下を通り、水場を越えると藤内壁出合いに到着。

左から一の壁、水色に氷結しているのが中又、その右側が正面バットレス、中尾根。

出合いで師匠が皆に分けてくれた行動食の鯖寿司を頬張りながらアイゼン、ハーネスを装着。

アイゼンを着けて沢を渡渉。

いざ未知の世界の藤内沢へ踏み入る。やっと山登りらしくなる。
でもトレースがあって楽々(´∀`)楽チン
真っ直ぐ行くと第一ルンゼ。
その手前に2つのザックがデポされていた。中又の氷瀑を見に行った?
我々は右に折れて藤内滝へ。
下の写真の右奥にあるのが凍った藤内滝。

左の壁が凍っていて氷柱が何本もぶら下がっている。
ここに取り付いて滝を巻く。
凍った急斜面をピッケル&アイゼン前爪を使って登る。
でも3mほど上の氷柱の右の隙間がギリギリ通れない。

左の雪のある場所はストンと切り立っていて足場も少なく高度感がある。
今回はピッケルのシャフトを握って振りかぶってピックを使うのが初めてのメンバーが居た。なのでここで師匠は安全策としてザイルを出すことにした。プルージックコードをザイルにセットして登る。登るのは大した事が無いのだが上の写真の氷柱を左に回り込むときに身体が空中に露出するのが嫌な感じになる。
でも、みんな楽々乗り越えて全員無事通過。

登り切った先で右進むと大きな岩が正面に立ちふさがるが岩の左奥にチムニーっぽい抜け道がある。

木の根っ子や枝が手すりのように左右にあるので、それを掴んでグイグイ身体を持ち上げて穴から脱出。

その後すこしトラバースしたら深いルンゼ。

左側は前尾根P5下あたりのフランケ。
ここの名物的な岩の途中から出ている氷柱はこの日は未発達で細かった。


ルンゼを詰めていくとコーモリ滝と呼ばれている場所に到着。

左の凍った岩をピックとアイゼンの前爪を使って越えるのだが前行者たちが足場を作ってくれていて
、これまた楽勝。

コーモリ滝を越えた場所でお昼になっていたが先を急ぐので小休止のみ。
しばしルンゼからの眺望を楽しむ。
ん?あの岩は?

上から転がり落ちてきた岩が引っかかっているのかな?

急斜面をひたすら登っていく。

前が詰まって居るときに登ってきたルンゼを振り返ると絶景!


要所要所で下の写真のようにして登っていくのですが

街からすぐそばでこんなことが出来るんだから御在所は面白い場所です。
さらに第三ルンゼは続く。

雪は最深部で1mは超えているんだろうけど、トレースもあるしよく締まっていて快適快適。

中尾根のヤグラを越えたあたりに来ると雪雲がやってきた。

でも風はほとんどなく寒さは感じない。

ルンゼの正面に岩が立ちふさがり進路は少し左に振られる。

その先に見えるのは白い霧氷の木々だ。

霧氷のある方向に進んで右斜面を見ると
鋸岩の氷瀑でアイスクライミングをしている四人組が居た。

ふ~ん、イヌも居るんだね。

え?イヌ?

第三ルンゼに犬??

アイスクライミングしていた人が「もう直接ここから上に登って下山されますか?その時にこの犬も連れて行ってもらえませんか?藤内小屋からここまで着いて来ちゃったんですよ。」
え?そうなんや(^o^;
この時点で13時になっていたので氷瀑が空くのを待たずに上にのぼる事にした。ワンコ(犬)を連れて(-_-;)
我々が登ったルートは氷瀑下を左に少し進み、突き当たった正面の斜面をやや右に樹林帯を突破するルート。
氷瀑下から先はトレース無し。
樹林帯の取付きが新雪の吹き溜まりになっていて、踏めども踏めども足が上がらずに登れない。
それを足元でワンコがウロウロ待っている。

でも、人間がモタモタ・ズリズリ登っていると上から雪の塊がいっぱい落ちてくる。
それをワンコがしこたま頭からカブっていた。これには、さすがのワンコも嫌気が刺したようで、私以外の皆が登っていったあと、急斜面を『ダダダダ~!!』と信じられないスピードで下山していってしまった。ヤツは根っからの登山犬なんだなぁ・・・

樹林帯をシンガリで私も登った。ここは吹き溜まりの新雪。

(上の写真は振り返った場所にあった中尾根最上部)
斜め右にトラバース気味に登るのだが前行者達が斜面を踏み崩してあってなかなか上に登れなかった(^_^;)

(ハライド方面を見下ろしているのだが雪で霞んでいる)
やっとの思いで皆が溜まっている場所に合流。
え?霧氷の向こう、すぐそこに観光客がいっぱい?
どうやら国見岳が見える展望台のすぐ東に出てしまったらしい。
我々はハーネスにカラビナをジャラジャラさせたヘルメット姿のオッサン達(^_^;)
ひょっとして師匠たちは展望台の観光客が少なくなるのを待っていた?
展望台に出て私が霧氷の写真を撮っていたら、私の後で「写真撮ってもらっていいですか?」と観光客の声がする。どうやら師匠にカメラマンのおハチが回ったらしい。
御在所の山頂に用のない我々一行は踵を返えして国見峠へ降りていく。

昨年はアカヤシオの咲く時期に嫁さんとここを降りたことがあるが雪に埋まっている時期もオツなものだ。

評判通りけっこう霧氷が発達している。

霧氷というか樹氷のようだ(^_^;)


国見峠からは裏道を下山。

雪はサラサラとずっと降っている。

途中で師匠が皆にコーヒーをドリップしてくれた。ごちそうさまでした!


藤内壁を見上げる仲間たち。

「暖かくなったら懸垂下降の特訓をして、ここでマルチピッチの練習や!」と師匠。
頑張ります!(^o^;

そして兎の耳の下まで降りたところで師匠のアイゼン前爪の使い方教室。
フリクションのある花崗岩の多いこの藤内壁界隈。岩をアイゼンで登る場合や氷の壁を登る場合の立ちこみ方を伝授していただいた。今回は人が多くて出来なかったが近日中に人気のない場所で氷瀑の登り方教室をしていただけるようだ。

あとはテクテク来た道を降りていくだけ。
藤内小屋に戻ってアイゼンを脱ぐ。
ワンコはまだ帰ってきていない。
無事に帰ってきたのかな?(^o^;

2015年3ルンゼ未遂編はこちら!(^_^;)


歩行距離:8.152km(沿面距離8.618km)
所要時間:6時間42分(小休止・大休止含)
累積標高:1056m(プラス、マイナス)

7:45自宅出発
8:50鈴鹿スカイライン冬季閉鎖ゲート9:10
9:39裏道登山口(蒼滝大橋西詰)
10:23藤内小屋
10:58藤内沢出合11:14
11:25藤内滝11:51
12:00コーモリ滝
13:00鋸岩(氷瀑)13:15
13:24九合目
13:34国見峠(八合目)
13:37昼食(ca.1070)14:04
14:13藤内沢出合
14:33兎の耳(アイゼントレーニング)14:44
14:52藤内小屋15:09
15:37裏道登山口(蒼滝大橋西詰)
15:52冬季閉鎖ゲート

冬季封鎖ゲート~藤内小屋

右側の赤線端末が駐車地(冬季封鎖ゲート)
冬季封鎖ゲートだが、蒼滝トンネル上の駐車場もしくは旧料金所にして欲しいなぁ(-_-;)


藤内小屋~国見峠


第三ルンゼルート拡大図


下山後に嫁さんに電話をすると『ごっつぅ不機嫌な声』で「楽しかったやろ!よかったなぁ!こっちは熱があるのに元気な息子が撮り貯めしてあったアンパンマンや仮面ライダーとかをずっ~~と見ていたおかげで超!退屈やったわ!そいでなぁ!子ども達がお父さんだけ楽しんできてズルイからマクドナルドのハンバーガー買って来てって言ってるよ!」と指令が飛ぶ。
そんな訳で名阪国道を伊賀一之宮インターチェンジまで走ってマックまでお使い。
私はマックの限定商品のラスベガスバーガーをいただいた。←これ無茶苦茶ウマイですよ。
以前のマックはケチャップ味が当たり前でイマイチ、いや、イマサンくらいだったけど、ここ数年のマックの企画物は定番メニュー化して欲しいのがけっこうある。次のブロードウェイバーガーにも期待したい。
| 山登り::鈴鹿山脈 |
| 04:07 PM | comments (0) | trackback (0) |

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