メッチャ・ホリデーな美越国境 権現山(1143.4m)::つばや菓子舗五代目ブログ

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五代目の四方山不定期更新日記
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オール・ヤブコギ企画?聞いてないよー!
でも、これがスゴイ達成感を感じられたのが怖い・・・

5:45、テントの中で目が覚めると明るくなっていた。

みな寝息スースー。昨夜のキノコ鍋で貴い犠牲は出なかったらしい・・・

ここは南越前町の蓮如の里:芋ヶ平。

と言っても廃村になった集落(木地師集落跡)の広場で、我々のテントの半径800m以内に人は居住していない。ちなみに最寄りは最寄りは南越前町瀬戸。
昨日は嫁さんと三重県津市美杉町川上で山登りをしてきたのだが、そのまま連チャンで師匠の山行(総勢4名)に参加させていただいた。

昨日の夕方、私は御杖の姫石の湯で一風呂。その後、名張市で山仲間達と合流。
皆で師匠の車に乗せていただいて、北陸自動車道を敦賀まで走り、今庄365スキー場を横目に20:30頃にここ芋ケ平の広場に到着。
ヘッデンの灯りを頼りに皆でテントを設営して、水炊き&きのこ鍋を食べ、酒を酌み交わし23時頃に就寝。

皆、6時前にゴソゴソと起きだして昨夜の鍋の残り物に電子レンジでチンするパックご飯をぶち込み、朝食の雑炊を作る。
そして昨日私が採取してきたヌメリスギタケの味噌汁も作って、ヤブコギ四人衆の朝御飯とした。

食後は登山装備だけをザックに放りこみ、朝露に濡れているテントを放置。
起点となる場所まで藤倉谷林道を車で登る。途中で工事通行止めという看板があったが我々の取り付き点の遙か先で工事をしているようだ。

ここの谷・・・すごく高い。ガードレールの無い舗装路を師匠の車はグイグイ登っていく。

よっしゃ、ここに車を止めて・・・

ウン!ここでええ!ここから登るで!ヤブコギの準備してぇや!
キャップを被り、ゴアテックスのスパッツを脛下に巻き、手にはゴツメのグローブを装着。喉元にタオルを巻いてダニや落ち葉などが首に侵入するのを防止。また私は遠くを見るときは乱視用メガネをしているので目の防御はこれでOK。分水嶺にあたるこのエリアは朝からガスが残ったままだ。でも気温は低くなく、調度良い感じ。

おっしゃ!いくでぇ!と、師匠が取り付いたのは、最初からヤブの急斜面。

写真を撮っていたら、すぐ師匠の姿はヤブに消えていく。

急な登り!地面は固く、早くも笹やシダを掴んでヤブコギだ!

ウソヤロ・・・困ったときに八方塞がりとか言うけど、密度の濃いヤブはまさに八方塞がり。

細い枝がしなりまくるシャクナゲのヤブは突破するのに時間がかかる。
ちょっと高度が稼げた。登っているルートから東を見ると雲が沸き立ち良い感じ。

でもこちらはすでに汗だくで帽子のツバからも汗が滴る。
目の前はひたすらヤブだ。

指より太い熊笹のヤブは超危険。

折れてトンガッた切り株は串刺し凶器。目や鼻、顔に刺さったりするととんでもないことになる。
今回の装備リストに、テープスリングx1、環付カラビナx1とあったのは、目をヤブで突いて目が見えなくなった場合に誘導しながら下山するためらしい。

でも、ここのヤブで助かることが一つ。それはトゲトゲの植物が少ないこと。自分の普段ヤブコギしているフィールドならイバラをはじめとするバラ系統のトゲトゲに泣かされるのだが、ここではイチイ科常緑針葉高木『かや』と杉があるくらいでイバラの類が無い。でも、藪の濃さはトンデモナイ。木の枝の中に入り込んで、ちょっと懐かしいマトリックス(キアヌ・リーブス主演)の弾丸避けポーズでクリアしながら背丈以上の笹を漕ぐのが標準だ。


ブナ林の尾根芯に踏み跡を見つけた。

獣道じゃなくて古道である。師匠曰く木地師たちが瀬戸などの里の人間と出会わず徳山村へ向かうルート(高倉峠を越え)として、ここを通っていたという。
ブナの巨木が何本かあったが、この写真を撮った場所は伐採した後に蘇ったらしく細いブナの木が沢山あった。

休憩しているとスズメバチがやってきて我々の周囲を威嚇しながら飛び回った。スズメバチが攻撃する黒い部分があまり無かったので何もせずに飛び去ってくれた。

ブナ林の中を比較的に楽に登っていると奇妙なモノがイッパイあるのを発見。

スッポンタケのようだ。緑の部分(グレバ)を洗い流して干して戻した足の部分を料理に使うことができるそうだ。でも先が長いので放置して先を急ぐ。
それにしてもブナ林の紅葉は美しい。

楓も紅葉が進んでいる。

あと、黄色い葉っぱで目立っていたのがクロモジの黄葉。

相変わらずヤブコギは続く。

日向の斜面は植生が活発でヤブがやたらに濃い。

日陰は少しマシなようだ。

逆光で見えないが前方に岩峰がある。

その向こうの尾根の奥に権現山の山頂。まだまだ遠い。
県境料線尾根も黄葉&笹のようだ。
進路の左で雲の中にあった金草岳が見えた。
金草岳(1227.1m)の稜線に冠山(1257m)が見える。

ちょろっと見えているのが冠山


一旦斜面を降って岩峰の横に登り返すのだが、これもひと苦労。

急な場所が続くというより、ヤブがスゴイのだ。

ヤブの上を歩く「枝渡り」そしてヤブを掴んでモンキークライムダウン。

痩せ尾根の上であれどもヤブの上を乗っかりながら、邪魔な木があればモンキーしながら小さく巻いたり・・・高度感たっぷりながら、いろんな技を使ってクリアしていく。
ここでもスズメバチがやってきてしばらく威嚇しながら周囲を飛んでいたが谷風が吹くところで諦めて飛び去ってくれた。

痩せ尾根をクリアしたら、やっぱりヤブ。

でも、ここは二重山稜になっている場所で雪だまりだったらしい。だから少しヌカルミ。
その先にあったのは蔓地獄。蔓が隠れているヤブに突入すると方向転換しようとした瞬間に蔓に掴まって手足が動かなくなって・・・やがてはマリオネット状態。ま、蔓エリアが短かったので「あやつり人形」になる前に脱出できたのだが、鉈(ナタ)を腰にぶら下げているほうが精神的に良いかも?(^_^;)

あらゆる技を駆使しながらヤブを突破していたら前を行く師匠が「国境(県境)稜線に出たぞー!」と雄叫び一声。

ほんまや!踏み跡がある!(^ω^)すでに昼の12時を過ぎ・・・登り始めて5時間が経過していた。
でも、腰を降ろすような場所は無し。山頂に平坦な場所があるからそこまで行こう!と山頂を目指す。
ここからは踏み跡のある笹藪漕ぎ。余裕ぶちかましで15分ほど笹薮を手で掻き分けるだけで山頂に到着。踏み跡のある背丈以上の笹藪であれども、我々の前で「もはや」ヤブでは無い。

師匠「やったー!登頂や!スゴイ達成感や!握手しよ!握手!!メッチャホリデー!」と、登頂をひたすら喜んでいる。師匠がこれほどハシャイでいるのは初めてだ。

(松浦亜弥のPV)
あまりにも嬉しそうだったので記念撮影をしてあげた。

他のメンバーは「メッチャホリデー」を連呼している師匠に対して、少し(かなり)「引き(ヒキ)気味」で、ヤツレた様相で「やれやれ終わった」と、いう安堵感に満たされている。
しかし、目の前に広がる360度展望の山頂は、来て良かった!と、心のそこから思える。
それに天候にも恵まれて「メッチャホリデー」。

360度展望に関しては師匠が細かく山座同定をしてくれたのだが、

(一生懸命に説明してくれる師匠の指)










この山域が二回目な私には何のことやらサッパリ分からない(T_T)
ここで、昼食タイム。各自持参のモノを食べた。私は行動食としてザックに入れていたオニギリとアンパン、ミカンを食べた。
GPSログで歩行距離と所要時間を確認してみた。すると所要時間5時間23分。距離2.5km?え?このGPSログ壊れている?5時間でたった2.5km?うそやん!
そこに特大サイズのスズメバチが「ブーン」とやってきて師匠のザックへ・・・なぜか師匠の食べていたパンや汗が染みこんだザックの品定め!
皆がスズメバチに気を取られている間、私は携帯で店にいる嫁さんに業務連絡。(この時の写真がここの下段写真)
しばらくするとスズメバチは去っていった。

金草岳に見送られて下山開始。

下山ルートは登山路のある笹藪らしい。私がトップを勤めさせていただく。
ヤブコギから解放されて足取りも心も軽い。
赤い木の実が青空に映えて奇麗だ。


県境稜線尾根を直進する。背丈ほどの笹藪の下に踏み跡があり、スタスタ歩けるのだが、たまに踏み跡が薄くなってヤブ密度が濃くなる。

こうなると両手で思いっきり笹漕ぎ&笹を膝潰しや尻潰しをして進路を広げながら歩く。
頭が笹薮から出た!おお!これは見晴らしが良いし、風が気持いい。

左横に先ほどまで居た権現山。

笹漕ぎを続けて歩いていると笹っ原の中央がなぜか地面が剥き出しの所があった。

ここで給水休憩。

おっしゃ!ラストスパート!と坂道を下って行くと

すぐに・・・あら?舗装路が見えた!高倉峠や!
足早に斜面の笹薮を降りていたらヤブの中に木が生えていた!そこに乗っかって私が転倒!皆の視界から消えてしまったらしい。笑いながら立ち上がって下山続行!そうしたらシンガリの師匠も同じ場所で滑って転んで藪の中に消えていた!
おっしゃ!下山終了!

高倉峠到着!登山開始から7時間っかっていた。

ここからは舗装林道を黄葉・紅葉見物しながらテクテクあるくだけ。





ムラサキシキブの実も奇麗に色づいていた。


あれ?まだ車が見えないなぁ・・

地図を見てもなんだかオカシイ
ダイモンジソウにケタ違いな数の花が付いている。

いつも見ているのと種類が違うのだろうか?
舗装路を歩いていると道を通行止めにしてガードレールの代わりになる歩車道境界ブロックの設置作業をしているオジサンが居た。
しかし、舗装路歩きが長いなぁ・・・頭を掻く師匠

師匠は、次に見えている尾根の先っぽに車を止めているハズだ!と合計3回ほど豪語されていたが、結局3回とも車を止めている場所ではなかった。

?と、見覚えのある尾根の先端が!

師匠の車もあった!(_´Д`)ノ~~お疲れさんでした!

あ、そうやった!芋ヶ平にテントを放置してきているんや!
車で芋ヶ平へ戻りテントを撤収。
山行はここで終了!

7:00テント場出発(車)
7:13取り付き点7:23
10:28 P1040m通過
12:16県境稜線尾根出合
12:30権現山山頂13:07
13:17県境稜線尾根分岐
13:50 P1047m通過
14:17高倉(こうくら)峠
15:25駐車地


距離8.3km沿面10.3km
山行所要時間8時間
累積標高1477m


山行終了後に皆で食べた今庄の蕎麦はこちらです。「宿場そば真琴」
食後は、北陸自動車道を通って18時頃に米原駅で同行いただいた奈良と大阪の仲間をお見送り。
おつかれさんでした~
今日の共感をいつまでも一緒に持っていきましょうね~!

そして残った私は師匠の車で彦根~八日市まで高速移動。その後は下道。19:30頃に我が家の前で師匠と別れた。
残りの道中お気をつけて~!お疲れさんでした!

帰宅後にGPSログを地図に重ねていて気がついた。
え?なんだかオカシイ。

上の地図でピンク線が師匠の予定ルート。実際に登ったのが赤い線。
もうお気づきだろう。取付き場所を少し手前から始めたのだ。ま、誤差とと言えば誤差の範囲だ。

家に帰って風呂に入ると矢鱈と傷がしみた。
そりゃそうだ。何回もゲーター(スパッツ)がヤブに足首まで脱がされたり、頬に笹枝が刺さりそうになったり、シバカレたり、ザックやポケットに木の葉や枝や樹の皮が入っていたり、腕時計のベルトに笹が突き刺さって動けなくなったり、腕に擦り傷、切り傷、刺し傷イッパイ、さらに脛はいろんな部分に打撲の痕が残っている。でも楽しかったと思えるのはなぜだろう?(^_^;)

そうそう、不思議とダニが居なかった。うちの近所の伊賀の里山はウジャウジャいるのになぁ・・・
クマにも出会わずに無事に帰ってこれてよかった!

ヤブコギ・・・ロッククライミングの技術や体力を持ち合わせていない私にとって、現在で一番充実した山行なのかもしれない。
ヤブという難路を力と根性でパーティ山行して登頂する喜び=醍醐味を教えてくれた!そんな気がする。
ま、遭難していつまでヤブに付き合いできるのか?と、いう耐久性も養われたとも言える。ですよね!
| 山登り::美越国境エリア |
| 11:26 AM | comments (2) | trackback (0) |

コメント

あややのPVまで貼付けてくれてありがとー

しかし、こんなんカノジョの居る所で見てたら、気が狂うたと言われそう(><)

去年リリースのアルバム「Click you Link me」なら一緒に聞けますよ!
| 伊賀天幕番 | EMAIL | URL | 2011/10/22 12:42 PM | OeBy5c0o | 保留中コメント:0件

しっかり師匠のブログで「あやや」との出逢い談を書いてフォローされてますなぁ。
http://blogs.yahoo.co.jp/flying_climber/65525183.html
いいぢゃないですか!歳の差なんて!
| 五代目 | EMAIL | URL | 2011/10/22 10:41 PM | RkWOqosk | 保留中コメント:0件



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