2020,06,02, Tuesday/五代目
4月某日8:30a.m.「キレイな谷を見に、チョット山へ行くわ」と、家族に言い残し、一週間後に御在所岳西面:黒谷にて遺体となって発見された山友であり、我が師の遭難事故。
その事故現場とは?
そして、あれほど鈴鹿の山や谷を知り尽くしていた緑ちゃんがどういった理由で事故にあったのか?
遺体を発見されたお二人に現場を案内していただいた。
山行日:2020年6月1日
「現場は厳しい谷なので人数少な目で」と案内人のz氏から事前に人数制限の要請。
当日は案内人2人+捜索活動を初期から手伝ってくれた山仲間6名の合計8名が参加。
各自ヘルメットに下降用のロープなどの用意をして当日に臨んだ。
雨が降るかも?という感じの曇天。
道中、鈴鹿南部の山にも雲が・・・
帯状に幾重にもなって「たなびいている」??
こんな雲初めて見た。
緑ちゃんの車が発見された茨谷雨量計前に集合。
リーダーは発見者の一人のzさん。
黒谷を遡上することなく、また黒谷左岸尾根(P1047西尾根)を尾根端から登らず、変則バリルートで現場まで行くとのこと。
現地は参加者は未踏の場所なので、すべてお任せで付いていく。
捜索時に何度も歩いた「いっぷく峠」までの道もすっかり緑の葉に覆われて当時と違った雰囲気。
クラ谷分岐を北に進み、沢谷の岩場を下りかけたら、リーダーが「少し行き過ぎた。戻って魚止谷左岸尾根に乗ります」とのこと。
露出した根っこだらけの急斜面を登って行く
「じゃ、ここから魚止谷へ降りよう!」と急斜面を駆け下りた。
魚止谷は谷の入り口からすぐに滝があって、奥へ入りにくい谷だったと記憶している。
なるほど、こうすれば魚止谷を歩けるのですね。
河床沿いには昔の炭焼き仕事道?しばらく沢沿い歩き。
今度は登れそうな枝尾根末端からP1047に向かって登り始める。
これが根っこ道&痩せ尾根&ヤブコギ。
ヤブはザックのサイドポケットに御供えの花束を入れていたメンバーの花をもれなく「へし折って」くれた(-_-;)
雨が心配された本日の天候だが雨は降らない。
この写真のブナ林はP1047へあと少しの場所。
幻想的な(ガスガス)の景色。
この付近はシャクナゲが多く、残り花もちらほら見られた。
「ここから急斜面を下って黒谷へ着地します。ヘルメット着用してください。」とリーダーから指示。
ヤシオの森を奥へと進み、急降下・・・
って・・・あのぉ、足元悪すぎません?('◇')ゞ
私、ビビりなので30mのロープ出して・・・あ!
IS君にロープ預けてあったのに、彼がリーダーの二番手でもう降りてしまってるよ!( ノД`)シクシク…
バランスを取りながら、掴めるモノは木の根っこも掴んでソロリ・・・ソロリ。
「えーと、ここから沢を下ると厄介なのでトラバースしますね」とリーダーはスタコラ・・・
え?サクサクと一つ下流側の枝尾根を乗り越していく(-_-;)速すぎ~
え?枝尾根の先は苔むした岩の急斜面をトラバースして急降下?
って、リーダーはもう河床に下りてしまってる(;'∀')はやっ!
ゲゲ・・・IS君がやっと止まってロープをザックから出した。
でも、彼はフィックスロープをセットすること知らないんだよな・・
なんとか指示をして、ロープで岩交じりの急傾斜地を下れるようになった。
昼食もとっていない12:30。
やっと黒谷の河床に降り立った。
ここからは沢下り。
ゴロゴロ岩は苔が付いていて滑りやすいけど、ゴルジュは登山靴でもクライムダウンできる。
が!IS君バランスを崩して沢に落下&ドボン。
1mほどの落下だったので致命傷には至らなかったが股まで水没&脛回り擦り傷。
痛みは特にないということなので続行。
水量の少ない支滝の二股分岐にやってきた。
そこからもう少し黒谷を下り、倒木が沢を横切っている場所が事故現場。
画面の手前が上流で緑の木々のV字が下流。
画面左の緑の岩壁の上から緑ちゃんが落ちてきたらしい。
司法解剖の結果は骨折や外傷は致命的なものが無かったそうだ。
事故直後の時点で「死亡原因不明」と聞いていたが、外傷性ショックで亡くなったのだろうか。
落下した緑ちゃんが引っかかっていた倒木。
この倒木に腹を乗せ、俯せに岩の方向に頭を向けていたそうだ。
沢の水は今日の方が多いらしい。
平らな岩の上に花を供え、彼が生前好きだった酒を皆が持ち寄り、線香に火をつけた。
・・・・黙祷・・・・
この現場で昼食。
落下した沢の左岸を見上げる。
下からよじ登るにはキツすぎるし、このような場所をワンコを連れて登るか?
上から降りてきて落ちた?下りる理由がここには無さそうだ。
だとすると、黒谷を登ってきて、滑りやすい沢歩きが嫌になり、もう少し下流から左岸に取付いてトラバースしているうちに高度が上がり、岩場をトラバース失敗した場所=落下場所だったのかもしれない・・・
昼食が終わると、もう14時。
第二の目的地の落下場所の上部へ向かう。
P1047尾根に地形図的に一番登りやすそうな枝尾根。
この取付きが3人登った後に続こうとするとズルズルの土が崩れて足が上がらない。
お助け紐で上げてもらったが、そのあとのトラバースも岩に土が乗っている急斜面で微妙なスタンスがズルズル。
緊張感を切らさずに枝尾根の尾根芯に行くと、そこは広い台地。
この台地の沢沿い先端が崖で落下現場の上。
ひょっとして、P1047尾根からここまで降りやすかった?と思ってみたが、その先を登り始めた時にその考えもすっ飛んだ(~_~;)
シャクナゲ交じりの細尾根で足場が悪い。
鈴鹿を知り尽くしている緑ちゃんならここは下らないだろう。
シャクナゲの密林をすり抜けていくとP1047の上部に辿り着いたすると踏み跡のあるルートだが笹のある獣道っぽい。
シロヤシオの森を登って行くと
御嶽大権現から南西に下ってくる郡界尾根ルートに出た。ここは踏み跡明瞭で、まるで高速道路だ。
もし、御在所山頂に緑ちゃんが到達していて、そこから彼の駐車していた茨谷へ下りたいのであれば、P1047の尾根ルートに下っていく理由が無い。踏み跡明瞭で平和に下っていける郡界尾根を外す理由がないのだ。もし、間違えに気づけば郡界尾根に戻るだろう。
そんなことを想いながら御嶽大権現から長者池を目指す。
御嶽大権現と長者池は緑ちゃんが御在所の立ち寄り地になっていた場所。
長者池を背に流れ始めた沢を眺める。
この流れがやがて緑ちゃんの落ちた黒谷になるんだよな・・・
曲がったリョウブの木の下で・・・・
長者池周辺のサラサドウダンの蕾がほころび、
遊歩道脇にはハルリンドウが咲き始め、
初夏に向かって季節は進みだした。
でも、彼はもう居ない。
彼がいつも連れてワンコは彼の奥さんが引き続き一緒に仲良く生活しているそうだ。
郡界尾を下っていく。
御嶽大権現から黙々降りていくと30分余りで、いっぷく峠に着いた。
【遭難多発注意】の立て看板・・・緑ちゃんも何度も見た看板。
まさか彼が遭難して帰れなくなるなんて・・・
ここから茨谷雨量計までさらに15分あまり。
御嶽大権現の郡界尾根なら御在所山頂から1時間余りで安全に下山できる。
緑ちゃんもよく知っていたルートだ。
もし彼がその日、御在所に登っていたのなら茨谷駐車地への下山ルートはこの郡界尾根。道迷いなどありえない。
と、すると黒谷での滑落は?
三人山から雨乞岳へ登り、雨乞岳に彼の大好きな山ガールが居なかったと悔しがりながらクラ谷を下山してきたが、御在所岳に行けば山ガールに会えるかも?一念発起。一番近い登山ルートは?と、昔を思い出して黒谷を登りだしてみたものの、やはり足場が悪い。2つ目の滝を越えたあたりから左岸尾根(P1047尾根)に逃げようとしていたらトラバースに失敗し滑落か?
また黒谷に行って考えてみよう。
z氏、Bちゃん、案内、ありがとうございました。
煎茶美味しかったです。
熱いお茶が美味しい季節に注文します!
山行日:2020年6月1日
距離:5.749km
沿面:6.092km
所要時間:7時間48分
(うち昼食57分)
累積標高プラスマイナス830m
最小標高:778m
最大標高:1181m
個人山行:8人
z氏、Bちゃん、とっちゃん、UH、ころ助、IS、TY、TK
その事故現場とは?
そして、あれほど鈴鹿の山や谷を知り尽くしていた緑ちゃんがどういった理由で事故にあったのか?
遺体を発見されたお二人に現場を案内していただいた。
山行日:2020年6月1日
「現場は厳しい谷なので人数少な目で」と案内人のz氏から事前に人数制限の要請。
当日は案内人2人+捜索活動を初期から手伝ってくれた山仲間6名の合計8名が参加。
各自ヘルメットに下降用のロープなどの用意をして当日に臨んだ。
雨が降るかも?という感じの曇天。
道中、鈴鹿南部の山にも雲が・・・
帯状に幾重にもなって「たなびいている」??
こんな雲初めて見た。
緑ちゃんの車が発見された茨谷雨量計前に集合。
リーダーは発見者の一人のzさん。
黒谷を遡上することなく、また黒谷左岸尾根(P1047西尾根)を尾根端から登らず、変則バリルートで現場まで行くとのこと。
現地は参加者は未踏の場所なので、すべてお任せで付いていく。
捜索時に何度も歩いた「いっぷく峠」までの道もすっかり緑の葉に覆われて当時と違った雰囲気。
クラ谷分岐を北に進み、沢谷の岩場を下りかけたら、リーダーが「少し行き過ぎた。戻って魚止谷左岸尾根に乗ります」とのこと。
露出した根っこだらけの急斜面を登って行く
「じゃ、ここから魚止谷へ降りよう!」と急斜面を駆け下りた。
魚止谷は谷の入り口からすぐに滝があって、奥へ入りにくい谷だったと記憶している。
なるほど、こうすれば魚止谷を歩けるのですね。
河床沿いには昔の炭焼き仕事道?しばらく沢沿い歩き。
今度は登れそうな枝尾根末端からP1047に向かって登り始める。
これが根っこ道&痩せ尾根&ヤブコギ。
ヤブはザックのサイドポケットに御供えの花束を入れていたメンバーの花をもれなく「へし折って」くれた(-_-;)
雨が心配された本日の天候だが雨は降らない。
この写真のブナ林はP1047へあと少しの場所。
幻想的な(ガスガス)の景色。
この付近はシャクナゲが多く、残り花もちらほら見られた。
「ここから急斜面を下って黒谷へ着地します。ヘルメット着用してください。」とリーダーから指示。
ヤシオの森を奥へと進み、急降下・・・
って・・・あのぉ、足元悪すぎません?('◇')ゞ
私、ビビりなので30mのロープ出して・・・あ!
IS君にロープ預けてあったのに、彼がリーダーの二番手でもう降りてしまってるよ!( ノД`)シクシク…
バランスを取りながら、掴めるモノは木の根っこも掴んでソロリ・・・ソロリ。
「えーと、ここから沢を下ると厄介なのでトラバースしますね」とリーダーはスタコラ・・・
え?サクサクと一つ下流側の枝尾根を乗り越していく(-_-;)速すぎ~
え?枝尾根の先は苔むした岩の急斜面をトラバースして急降下?
って、リーダーはもう河床に下りてしまってる(;'∀')はやっ!
ゲゲ・・・IS君がやっと止まってロープをザックから出した。
でも、彼はフィックスロープをセットすること知らないんだよな・・
なんとか指示をして、ロープで岩交じりの急傾斜地を下れるようになった。
昼食もとっていない12:30。
やっと黒谷の河床に降り立った。
ここからは沢下り。
ゴロゴロ岩は苔が付いていて滑りやすいけど、ゴルジュは登山靴でもクライムダウンできる。
が!IS君バランスを崩して沢に落下&ドボン。
1mほどの落下だったので致命傷には至らなかったが股まで水没&脛回り擦り傷。
痛みは特にないということなので続行。
水量の少ない支滝の二股分岐にやってきた。
そこからもう少し黒谷を下り、倒木が沢を横切っている場所が事故現場。
画面の手前が上流で緑の木々のV字が下流。
画面左の緑の岩壁の上から緑ちゃんが落ちてきたらしい。
司法解剖の結果は骨折や外傷は致命的なものが無かったそうだ。
事故直後の時点で「死亡原因不明」と聞いていたが、外傷性ショックで亡くなったのだろうか。
落下した緑ちゃんが引っかかっていた倒木。
この倒木に腹を乗せ、俯せに岩の方向に頭を向けていたそうだ。
沢の水は今日の方が多いらしい。
平らな岩の上に花を供え、彼が生前好きだった酒を皆が持ち寄り、線香に火をつけた。
・・・・黙祷・・・・
この現場で昼食。
落下した沢の左岸を見上げる。
下からよじ登るにはキツすぎるし、このような場所をワンコを連れて登るか?
上から降りてきて落ちた?下りる理由がここには無さそうだ。
だとすると、黒谷を登ってきて、滑りやすい沢歩きが嫌になり、もう少し下流から左岸に取付いてトラバースしているうちに高度が上がり、岩場をトラバース失敗した場所=落下場所だったのかもしれない・・・
昼食が終わると、もう14時。
第二の目的地の落下場所の上部へ向かう。
P1047尾根に地形図的に一番登りやすそうな枝尾根。
この取付きが3人登った後に続こうとするとズルズルの土が崩れて足が上がらない。
お助け紐で上げてもらったが、そのあとのトラバースも岩に土が乗っている急斜面で微妙なスタンスがズルズル。
緊張感を切らさずに枝尾根の尾根芯に行くと、そこは広い台地。
この台地の沢沿い先端が崖で落下現場の上。
ひょっとして、P1047尾根からここまで降りやすかった?と思ってみたが、その先を登り始めた時にその考えもすっ飛んだ(~_~;)
シャクナゲ交じりの細尾根で足場が悪い。
鈴鹿を知り尽くしている緑ちゃんならここは下らないだろう。
シャクナゲの密林をすり抜けていくとP1047の上部に辿り着いたすると踏み跡のあるルートだが笹のある獣道っぽい。
シロヤシオの森を登って行くと
御嶽大権現から南西に下ってくる郡界尾根ルートに出た。ここは踏み跡明瞭で、まるで高速道路だ。
もし、御在所山頂に緑ちゃんが到達していて、そこから彼の駐車していた茨谷へ下りたいのであれば、P1047の尾根ルートに下っていく理由が無い。踏み跡明瞭で平和に下っていける郡界尾根を外す理由がないのだ。もし、間違えに気づけば郡界尾根に戻るだろう。
そんなことを想いながら御嶽大権現から長者池を目指す。
御嶽大権現と長者池は緑ちゃんが御在所の立ち寄り地になっていた場所。
長者池を背に流れ始めた沢を眺める。
この流れがやがて緑ちゃんの落ちた黒谷になるんだよな・・・
曲がったリョウブの木の下で・・・・
長者池周辺のサラサドウダンの蕾がほころび、
遊歩道脇にはハルリンドウが咲き始め、
初夏に向かって季節は進みだした。
でも、彼はもう居ない。
彼がいつも連れてワンコは彼の奥さんが引き続き一緒に仲良く生活しているそうだ。
郡界尾を下っていく。
御嶽大権現から黙々降りていくと30分余りで、いっぷく峠に着いた。
【遭難多発注意】の立て看板・・・緑ちゃんも何度も見た看板。
まさか彼が遭難して帰れなくなるなんて・・・
ここから茨谷雨量計までさらに15分あまり。
御嶽大権現の郡界尾根なら御在所山頂から1時間余りで安全に下山できる。
緑ちゃんもよく知っていたルートだ。
もし彼がその日、御在所に登っていたのなら茨谷駐車地への下山ルートはこの郡界尾根。道迷いなどありえない。
と、すると黒谷での滑落は?
三人山から雨乞岳へ登り、雨乞岳に彼の大好きな山ガールが居なかったと悔しがりながらクラ谷を下山してきたが、御在所岳に行けば山ガールに会えるかも?一念発起。一番近い登山ルートは?と、昔を思い出して黒谷を登りだしてみたものの、やはり足場が悪い。2つ目の滝を越えたあたりから左岸尾根(P1047尾根)に逃げようとしていたらトラバースに失敗し滑落か?
また黒谷に行って考えてみよう。
z氏、Bちゃん、案内、ありがとうございました。
煎茶美味しかったです。
熱いお茶が美味しい季節に注文します!
山行日:2020年6月1日
距離:5.749km
沿面:6.092km
所要時間:7時間48分
(うち昼食57分)
累積標高プラスマイナス830m
最小標高:778m
最大標高:1181m
個人山行:8人
z氏、Bちゃん、とっちゃん、UH、ころ助、IS、TY、TK
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