2011,01,26, Wednesday/五代目
伊賀遊歩塾1月第二回目(私にとって)の山行は鈴鹿:鎌尾根だ!
鎌尾根周回(宮妻峡~水沢峠~カズラ谷)は10kmという長丁場。しかも降り積もった雪に覆われて・・・前回の三峰山ラッセル大会を思い返すと・・・雪の状況によっては途中撤退もある!?
それを見越すかのように、師匠から連絡があった装備リスト・・・
一般装備以外にアイゼン、ピッケル、ワカン、ストック、簡易ハーネス、カラビナ・スリング各2、ヘッドランプなど・・・ヘッデンも必要だとは暗闇下山もある?・・・果たして無事に戻れるのだろうか?
ちなみに昨年の秋に私と嫁さん二人が登った鎌尾根レポートはこちら。(今回は子どもの代休と体調不良が各一名で嫁さんは子守)
今回のレポートは昨年秋に登ったときの写真を引用しながら鎌尾根の冬景色との対比を行いたい。
宮妻峡までの道のりは「え?なんで雪無いの?」と驚くほどの状態。三重県の治山事業で入道ヶ岳に出入りしている業者さんが除雪&融雪を豆にしているから?
宮妻峡駐車場を9:17に出発。
工事現場以降は上のように積雪ありだが、トレースありで凍結無し。
でも、無雪期なら20分あまりの距離だが40分かかった。
(秋はこんな感じ↓)
09:58水沢岳登山口10:07
小休止をして登山道に入る。
水沢峠までの登山道はトレースがありで、基本的にラッセルの必要なし。
でも油断するとツボ足は股下までズボズボ刺さってしまう。
下の写真は水沢峠の基部の秋・冬画像
本日は水沢峠直下のダイモンジソウが咲く少し上手の右壁面の滝が氷結していた。
(滝の拡大↓)
11:20水沢峠到着。アイゼンを装着して11:37出発
下の写真は花崗岩のザレた岩場を登る師匠。
風の通り場所はトレースが消えていたが指標テープを見つける。
水沢峠からすぐの登りの花崗岩のザレた岩斜面も凍結していた。軽アイゼンではなく、10本爪以上のアイゼンなら楽チンである。(個人的な意見だが、岩やザレ場が多い鈴鹿の山で軽アイゼンは危険ではないか?と思う。)
ちなみに下は秋の水沢岳へ登り始めた場所の写真。
12:15水沢岳到着
この日は登山開始前に雪がどれほど山行に影響を与えるか分からないので行動食で空腹を満たしていくように!とお達しがあった。14:30までに白滝山尾根分岐まで到達出来ていなければ、来た道を帰る(撤退する)!とも言われていた。
なので昼を回っていたが「小休止10分!」と言い渡された。
腹が空いたメンバーは3分でカップ麺を作って5分で食べる!と立ったまま実行。私はクリームパンを食べた。この日、コンビニのオニギリを持参した人は「今日は凍って無い!」と柔らかいオニギリを食べられたらしい。先日の三峰山はどれだけ寒かったの?(冷汗)
下の写真は秋の物でアングルが全く違うが、上の写真での看板の埋まり具合に注目して欲しい。
水沢岳から鎌ヶ岳へ向かうと鎌ヶ岳がハッキリ見えてくる。
下の写真は秋冬ほとんど同じアングルだと思う。
稜線上は、辛うじてトレースがあるのだが風で消されている場合が多くなってくる。
茸岩と呼ばれているザレ場に到着。ここも秋冬比較してみよう。
ザレ場はガチガチに凍っていたがアイゼンの爪が良くきいてくれるのでピッケルもしくは立ち木を少し利用するだけで降りていけた。
この場所と水沢峠から言うと水沢岳手前の馬の背渡りと言われている傾斜角のあるザレ場は凍結していた。先にも書いたがこのような傾斜角があって雪があまり着かない場所がガチガチでは簡易アイゼンは危ないと思う。
この茸岩を越えるとピーク連続帯まで穏やかな稜線歩きとなる。
上の写真は自分たちが歩いた場所を振り返ったものだが、雪で覆われた綺麗な雪原と滑らかな雪庇が官能的な曲線を描いている。
13:21 最悪時の14:30よりも1時間10分も早く、P1028を越えて白滝尾根分岐まで来た。もちろん鎌尾根周回完歩を目指す。
ここも、秋とほぼ同じアングルの写真があった。
ここから岳峠手前のキレット部までは小ピーク連続帯。
その間は痩せ尾根。各ピークのザレ場や巻き道の岩場を慎重に歩く。
水沢岳を振り返る。
(冬秋の比較画像)
右端の霞んだ山は仙ヶ岳。
下の写真のように痩せ尾根に雪がたんまりついて、痩せ尾根自体が雪庇だと何処に足を置けば良いのか不安になる。片側に掴む木々があると木に近づいて安心しようとしてしまう。
でも木が雪に埋まり過ぎ。本来は頭上にあるはずの枝が邪魔だ。屈まないと通過できない。
蕾がいっぱいついたシャクナゲも例外でなく容赦なくザックに引っかかる。
これがザックに縛り付けてあるワカンやストックに引っかかると前に進めなくなり、その都度ストレスを感じたり、バランスを崩したり・・・
また、痩せ尾根に立ち木が無いと、足を置いた瞬間に雪庇が崩れ落ちて自分も奈落の底に落ちないのか!?
・・・その雪庇に大きなヒビがあると尚更不安になる。超スリリングだ。
写真は痩せ尾根を行く師匠。隣に秋の写真もどうぞ。
この小ピーク連続帯、風が強い場所は雪が殆ど無いのだが、雪溜りになっている箇所は、雪が思いっきり深い。
深い場所は、歩くテンポが乱れ、抜重しそこねた足は股下までヌルヌルと深雪に沈んいく。
踏みなおそうと両足を揃えたら最後!両足がずんずん沈み、胸近くまで埋まっていく。
この足が沈んだ穴は、痩せ尾根では避けようの無い落とし穴だ。
私はツボ足歩行がまた未熟なので後続のメンバーに大変な迷惑をかけた。この場で陳謝しておきたい。(慣れるまで、もうしばらく我慢してね!)
そんな歩き方ばかりしていたので、今回の山行で、雪に埋まっていた木の枝がアイゼンに引っかかり、思いっきりバランスを崩したら、自分のアイゼンの爪でレインパンツを裂いてしまった。
この日、この他に重大なトラブルが発覚した私としては絶対にリペアせねば!(直るのか?)
この小ピーク連続帯は雪も深いが風をモロに受ける場所で雪庇や樹氷の成長が著しい。
自然が生み出す造形は見ていて飽きない。
途中、裏返って爪先を雪の斜面に蹴りこんで3m近く降りなければならない場所もあった。
仲間と一緒に歩く雪山は楽しいなぁ!
この日の天候は気温が高く、日当たりの良さそうな斜面の雪は少し溶けて水っぽかった。
でも、日陰や風の通る場所の雪は握っても団子に出来ないくらいの雪質。
下の写真はわかり辛いが木々の向こうに見えている山は御在所岳である。
こちらは雨乞岳。冬秋の比較画像です。
雪雲がかかっている。頂上と稜線は一際、雪で白くい。
晴れた御在所の写真を撮って5分後に鎌尾根に雪雲到達。雪が舞う。
本当に山の天候は目まぐるしい。
さて、以下の写真だが、鎌尾根の登山道に設置されている鎖場をトラバースしている風景である。
雪は岩場に張り付いていたが、岩場上部は雪が薄い箇所もあった。そして凍ったり締まってガチガチではなく、どちらかというとフンワリしていた。
師匠はトップでこの鎖を使わずに通過。
私は二番手。
でも足の置き場が悪かったようで、アイゼンの前歯がかからず、ズリズリ右足が落ちた。
でも、師匠が足を置いた場所に鎖があるのを発見した私は、それを掘り起こして後続者に「クサリ発見!」とアピールした。
どうも、この一連の内容が、師匠にとっては自分の落ち度だと思われたようである。
ライセンスを持つ登山指導員でありながら危険箇所(参加メンバーにとって)予測ができずに、フィックスロープ設置を怠ったと考えておられるようだ。
今回のケースは、私としてみれば、普段の山行で行っている・・・立ち木や、木の根っ子、笹を数本掴んだり、岩を掴んだりするように現場にあるものを自己責任で利用して悪場を通過したに過ぎない。
フィックスロープを師匠が張るべきか?現場の状況としては「張る必要なし」と私は思ったが、同行したメンバーはどう思っていたのだろう?
そんな事よりも本日の山行スケジュールの計画や実施における、あらゆる師匠の労力や気配りに対して、私は感謝と敬意を感じている。師匠は、ブログに書かれているほどまで自戒しなくて良いのでは?
ぜひとも同行したメンバーに(匿名でOK)意見をきいてみたい。(もしくはメンバー同士のメールでもOK)
ちなみにアングルは全く違うが秋の鎖場の写真は以下のとおり。
ご覧のように鎖の下約1mには40cm以上の足場があって、その下は潅木帯。
落ちたところで大した所ではないのである。
現に鎖は無雪期なら使わないけど積雪期には使った。笹や立ち木もそうである。
使えるものを自己責任で使えば良い。それでも、にっちもさっちも行かない場合は無理をする前に「師匠!ここ怖いから何とかして!」と訴えれば良い!それくらい遠慮の無い仲間達だと思うし、それで良いのではないだろうか?
15:07最終の小ピークとなった。
ここで左にピークを巻けば笹道で岳峠。直進してピークを越えれば、下山ルートのカズラ谷登山道。
下山予定のカズラ谷は、いくら一般登山道の下山と云えども距離が長い。雪のない季節でも止まらずに歩き通して1時間10~15分。
ここから鎌ヶ岳山頂まで往復すると往復40分以上だ。
師匠はメンバーに山頂行きたいか?と聞いた。
ヘッデンは各自持参しているものの、全員が鎌ヶ岳山頂に行かずに下山する事に同意。
今日は天候も荒れずに青空も見えて綺麗な雪景色を歩けたのだ。鎌尾根周回が出来ただけで満足だ。
15:20カズラ谷下山開始。
途中で、私が腹減った!と主張して皆さんに小休止をしてもらった。スンマセン。
16:45駐車場に全員無事に帰還。
週末登山者のトレースに乗ることが出来た今回の山行・・・
師匠のブログには「合法的なラッセル泥棒」と書かれているが、利用出来るものを何でも合法的に駆使して、楽しく登れれば「それはそれで良し」!?(w)
それよりもメンバーの日頃の行いの良さが、今回の歩きやすさを呼んだのだと思いましょう!
これで2回、師匠の雪山登山に同行させていただいたわけだが、可能であれば目一杯の時間を歩くのではなく、時間に余裕のある雪山登山で、ピッケルでの制動方法やワインポイント便利な使い方やワカンの歩行法も教えて欲しいと思っている。
本日の山行タイムおよび、山行地図は以下のとおり。
9:17駐車場出発~林道
9:58水沢岳登山口10:07
10:55水沢峠基部
11:08滝(氷結)通過
11:20水沢峠(アイゼン装着)11:37
12:02馬の背渡り通過
12:15水沢岳(1029m)12:28
12:35茸岩
13:22白滝山尾根分岐
15:03鎖場通過
15:07岳峠分岐(スルー)
15:20カズラ谷下山開始
16:45下山完了
それにしても冬の雪山は面白い!
ちなみに霧氷は当日の気温の上昇と共になくなったのだろうか?鎌ヶ岳の東ピークあたりに少しあっただけ。
本日の私の服装と登山用品についての自己反省
上:モンベルのジオライン(EXP)ハイネックシャツ(ロングTシャツのようなもの)に、腹を冷やさないように着た速乾ドライ素材のユニクロ鹿の子Tシャツ。
その上にユニクロのマイクロフリース+モンベル・レインダンサージャケット。
下:ユニクロ・ヒートテックのスパッツ+モンベル・秋冬用チノパン。それにモンベル・レインダンサーパンツ。
足元:モンベル・ウィックロン製厚手靴下+ゴアテックス入り軽登山靴+イスカ・ゴアテックスゲーター
下は着たまんまで何も問題なし。
上は、林道歩きでマイクロフリースとレインダンサーを脱いだ。
水沢峠から上の稜線は風がきつかったのでレインダンサージャケットを着た。
で、今回凄いことが発覚した。
私が去年の3月から履いていたメレルのハイキングシューズ(ゴアテックス・ブーティー)のゴアテックス破れが確定したのです。
先日の三峰山の途中から靴下が濡れている?と気づいていたのですが、これは足裏の汗?それともゲーターの隙間から雪が侵入?と思っていたのです。そして今回の水沢峠へ登る途中からも靴下に違和感を感じていました。
それが確信に変わったのが、カズラ谷下山終盤で川を渡る場所。ここで汚れたアイゼンを洗おうと右足を水の中に入れた途端に靴紐下部から浸水。そして左足も川に入った途端にソール踵部から浸水。両足がグチュグチュになってしまったです。
メレルの靴はミドルカットで軽く履きやすかったので家の近所の藪山へも行くときもよく履いてきました。
でも、これ一足をずっと酷使してきたので、柔らかいアッパーのネジレに付いていけなくなって、ゴアテックス・ブーティーが寿命となったのでしょう。
それにしてもこの時期に防水出来ない靴は致命傷。
今後の事を考えて3シーズン対応もしくは4シーズン対応の軽量化登山靴を用意しないとイケナイのですが硬い靴は誤魔化しが効かないので足型に合わない靴はもっての外。うーむ・・・金も暇も無いのに・・・でも、靴はローンだなぁ・・・
鎌尾根周回(宮妻峡~水沢峠~カズラ谷)は10kmという長丁場。しかも降り積もった雪に覆われて・・・前回の三峰山ラッセル大会を思い返すと・・・雪の状況によっては途中撤退もある!?
それを見越すかのように、師匠から連絡があった装備リスト・・・
一般装備以外にアイゼン、ピッケル、ワカン、ストック、簡易ハーネス、カラビナ・スリング各2、ヘッドランプなど・・・ヘッデンも必要だとは暗闇下山もある?・・・果たして無事に戻れるのだろうか?
ちなみに昨年の秋に私と嫁さん二人が登った鎌尾根レポートはこちら。(今回は子どもの代休と体調不良が各一名で嫁さんは子守)
今回のレポートは昨年秋に登ったときの写真を引用しながら鎌尾根の冬景色との対比を行いたい。
宮妻峡までの道のりは「え?なんで雪無いの?」と驚くほどの状態。三重県の治山事業で入道ヶ岳に出入りしている業者さんが除雪&融雪を豆にしているから?
宮妻峡駐車場を9:17に出発。
工事現場以降は上のように積雪ありだが、トレースありで凍結無し。
でも、無雪期なら20分あまりの距離だが40分かかった。
(秋はこんな感じ↓)
09:58水沢岳登山口10:07
小休止をして登山道に入る。
水沢峠までの登山道はトレースがありで、基本的にラッセルの必要なし。
でも油断するとツボ足は股下までズボズボ刺さってしまう。
下の写真は水沢峠の基部の秋・冬画像
本日は水沢峠直下のダイモンジソウが咲く少し上手の右壁面の滝が氷結していた。
(滝の拡大↓)
11:20水沢峠到着。アイゼンを装着して11:37出発
下の写真は花崗岩のザレた岩場を登る師匠。
風の通り場所はトレースが消えていたが指標テープを見つける。
水沢峠からすぐの登りの花崗岩のザレた岩斜面も凍結していた。軽アイゼンではなく、10本爪以上のアイゼンなら楽チンである。(個人的な意見だが、岩やザレ場が多い鈴鹿の山で軽アイゼンは危険ではないか?と思う。)
ちなみに下は秋の水沢岳へ登り始めた場所の写真。
12:15水沢岳到着
この日は登山開始前に雪がどれほど山行に影響を与えるか分からないので行動食で空腹を満たしていくように!とお達しがあった。14:30までに白滝山尾根分岐まで到達出来ていなければ、来た道を帰る(撤退する)!とも言われていた。
なので昼を回っていたが「小休止10分!」と言い渡された。
腹が空いたメンバーは3分でカップ麺を作って5分で食べる!と立ったまま実行。私はクリームパンを食べた。この日、コンビニのオニギリを持参した人は「今日は凍って無い!」と柔らかいオニギリを食べられたらしい。先日の三峰山はどれだけ寒かったの?(冷汗)
下の写真は秋の物でアングルが全く違うが、上の写真での看板の埋まり具合に注目して欲しい。
水沢岳から鎌ヶ岳へ向かうと鎌ヶ岳がハッキリ見えてくる。
下の写真は秋冬ほとんど同じアングルだと思う。
稜線上は、辛うじてトレースがあるのだが風で消されている場合が多くなってくる。
茸岩と呼ばれているザレ場に到着。ここも秋冬比較してみよう。
ザレ場はガチガチに凍っていたがアイゼンの爪が良くきいてくれるのでピッケルもしくは立ち木を少し利用するだけで降りていけた。
この場所と水沢峠から言うと水沢岳手前の馬の背渡りと言われている傾斜角のあるザレ場は凍結していた。先にも書いたがこのような傾斜角があって雪があまり着かない場所がガチガチでは簡易アイゼンは危ないと思う。
この茸岩を越えるとピーク連続帯まで穏やかな稜線歩きとなる。
上の写真は自分たちが歩いた場所を振り返ったものだが、雪で覆われた綺麗な雪原と滑らかな雪庇が官能的な曲線を描いている。
13:21 最悪時の14:30よりも1時間10分も早く、P1028を越えて白滝尾根分岐まで来た。もちろん鎌尾根周回完歩を目指す。
ここも、秋とほぼ同じアングルの写真があった。
ここから岳峠手前のキレット部までは小ピーク連続帯。
その間は痩せ尾根。各ピークのザレ場や巻き道の岩場を慎重に歩く。
水沢岳を振り返る。
(冬秋の比較画像)
右端の霞んだ山は仙ヶ岳。
下の写真のように痩せ尾根に雪がたんまりついて、痩せ尾根自体が雪庇だと何処に足を置けば良いのか不安になる。片側に掴む木々があると木に近づいて安心しようとしてしまう。
でも木が雪に埋まり過ぎ。本来は頭上にあるはずの枝が邪魔だ。屈まないと通過できない。
蕾がいっぱいついたシャクナゲも例外でなく容赦なくザックに引っかかる。
これがザックに縛り付けてあるワカンやストックに引っかかると前に進めなくなり、その都度ストレスを感じたり、バランスを崩したり・・・
また、痩せ尾根に立ち木が無いと、足を置いた瞬間に雪庇が崩れ落ちて自分も奈落の底に落ちないのか!?
・・・その雪庇に大きなヒビがあると尚更不安になる。超スリリングだ。
写真は痩せ尾根を行く師匠。隣に秋の写真もどうぞ。
この小ピーク連続帯、風が強い場所は雪が殆ど無いのだが、雪溜りになっている箇所は、雪が思いっきり深い。
深い場所は、歩くテンポが乱れ、抜重しそこねた足は股下までヌルヌルと深雪に沈んいく。
踏みなおそうと両足を揃えたら最後!両足がずんずん沈み、胸近くまで埋まっていく。
この足が沈んだ穴は、痩せ尾根では避けようの無い落とし穴だ。
私はツボ足歩行がまた未熟なので後続のメンバーに大変な迷惑をかけた。この場で陳謝しておきたい。(慣れるまで、もうしばらく我慢してね!)
そんな歩き方ばかりしていたので、今回の山行で、雪に埋まっていた木の枝がアイゼンに引っかかり、思いっきりバランスを崩したら、自分のアイゼンの爪でレインパンツを裂いてしまった。
この日、この他に重大なトラブルが発覚した私としては絶対にリペアせねば!(直るのか?)
この小ピーク連続帯は雪も深いが風をモロに受ける場所で雪庇や樹氷の成長が著しい。
自然が生み出す造形は見ていて飽きない。
途中、裏返って爪先を雪の斜面に蹴りこんで3m近く降りなければならない場所もあった。
仲間と一緒に歩く雪山は楽しいなぁ!
この日の天候は気温が高く、日当たりの良さそうな斜面の雪は少し溶けて水っぽかった。
でも、日陰や風の通る場所の雪は握っても団子に出来ないくらいの雪質。
下の写真はわかり辛いが木々の向こうに見えている山は御在所岳である。
こちらは雨乞岳。冬秋の比較画像です。
雪雲がかかっている。頂上と稜線は一際、雪で白くい。
晴れた御在所の写真を撮って5分後に鎌尾根に雪雲到達。雪が舞う。
本当に山の天候は目まぐるしい。
さて、以下の写真だが、鎌尾根の登山道に設置されている鎖場をトラバースしている風景である。
雪は岩場に張り付いていたが、岩場上部は雪が薄い箇所もあった。そして凍ったり締まってガチガチではなく、どちらかというとフンワリしていた。
師匠はトップでこの鎖を使わずに通過。
私は二番手。
でも足の置き場が悪かったようで、アイゼンの前歯がかからず、ズリズリ右足が落ちた。
でも、師匠が足を置いた場所に鎖があるのを発見した私は、それを掘り起こして後続者に「クサリ発見!」とアピールした。
どうも、この一連の内容が、師匠にとっては自分の落ち度だと思われたようである。
ライセンスを持つ登山指導員でありながら危険箇所(参加メンバーにとって)予測ができずに、フィックスロープ設置を怠ったと考えておられるようだ。
今回のケースは、私としてみれば、普段の山行で行っている・・・立ち木や、木の根っ子、笹を数本掴んだり、岩を掴んだりするように現場にあるものを自己責任で利用して悪場を通過したに過ぎない。
フィックスロープを師匠が張るべきか?現場の状況としては「張る必要なし」と私は思ったが、同行したメンバーはどう思っていたのだろう?
そんな事よりも本日の山行スケジュールの計画や実施における、あらゆる師匠の労力や気配りに対して、私は感謝と敬意を感じている。師匠は、ブログに書かれているほどまで自戒しなくて良いのでは?
ぜひとも同行したメンバーに(匿名でOK)意見をきいてみたい。(もしくはメンバー同士のメールでもOK)
ちなみにアングルは全く違うが秋の鎖場の写真は以下のとおり。
ご覧のように鎖の下約1mには40cm以上の足場があって、その下は潅木帯。
落ちたところで大した所ではないのである。
現に鎖は無雪期なら使わないけど積雪期には使った。笹や立ち木もそうである。
使えるものを自己責任で使えば良い。それでも、にっちもさっちも行かない場合は無理をする前に「師匠!ここ怖いから何とかして!」と訴えれば良い!それくらい遠慮の無い仲間達だと思うし、それで良いのではないだろうか?
15:07最終の小ピークとなった。
ここで左にピークを巻けば笹道で岳峠。直進してピークを越えれば、下山ルートのカズラ谷登山道。
下山予定のカズラ谷は、いくら一般登山道の下山と云えども距離が長い。雪のない季節でも止まらずに歩き通して1時間10~15分。
ここから鎌ヶ岳山頂まで往復すると往復40分以上だ。
師匠はメンバーに山頂行きたいか?と聞いた。
ヘッデンは各自持参しているものの、全員が鎌ヶ岳山頂に行かずに下山する事に同意。
今日は天候も荒れずに青空も見えて綺麗な雪景色を歩けたのだ。鎌尾根周回が出来ただけで満足だ。
15:20カズラ谷下山開始。
途中で、私が腹減った!と主張して皆さんに小休止をしてもらった。スンマセン。
16:45駐車場に全員無事に帰還。
週末登山者のトレースに乗ることが出来た今回の山行・・・
師匠のブログには「合法的なラッセル泥棒」と書かれているが、利用出来るものを何でも合法的に駆使して、楽しく登れれば「それはそれで良し」!?(w)
それよりもメンバーの日頃の行いの良さが、今回の歩きやすさを呼んだのだと思いましょう!
これで2回、師匠の雪山登山に同行させていただいたわけだが、可能であれば目一杯の時間を歩くのではなく、時間に余裕のある雪山登山で、ピッケルでの制動方法やワインポイント便利な使い方やワカンの歩行法も教えて欲しいと思っている。
本日の山行タイムおよび、山行地図は以下のとおり。
9:17駐車場出発~林道
9:58水沢岳登山口10:07
10:55水沢峠基部
11:08滝(氷結)通過
11:20水沢峠(アイゼン装着)11:37
12:02馬の背渡り通過
12:15水沢岳(1029m)12:28
12:35茸岩
13:22白滝山尾根分岐
15:03鎖場通過
15:07岳峠分岐(スルー)
15:20カズラ谷下山開始
16:45下山完了
それにしても冬の雪山は面白い!
ちなみに霧氷は当日の気温の上昇と共になくなったのだろうか?鎌ヶ岳の東ピークあたりに少しあっただけ。
本日の私の服装と登山用品についての自己反省
上:モンベルのジオライン(EXP)ハイネックシャツ(ロングTシャツのようなもの)に、腹を冷やさないように着た速乾ドライ素材のユニクロ鹿の子Tシャツ。
その上にユニクロのマイクロフリース+モンベル・レインダンサージャケット。
下:ユニクロ・ヒートテックのスパッツ+モンベル・秋冬用チノパン。それにモンベル・レインダンサーパンツ。
足元:モンベル・ウィックロン製厚手靴下+ゴアテックス入り軽登山靴+イスカ・ゴアテックスゲーター
下は着たまんまで何も問題なし。
上は、林道歩きでマイクロフリースとレインダンサーを脱いだ。
水沢峠から上の稜線は風がきつかったのでレインダンサージャケットを着た。
で、今回凄いことが発覚した。
私が去年の3月から履いていたメレルのハイキングシューズ(ゴアテックス・ブーティー)のゴアテックス破れが確定したのです。
先日の三峰山の途中から靴下が濡れている?と気づいていたのですが、これは足裏の汗?それともゲーターの隙間から雪が侵入?と思っていたのです。そして今回の水沢峠へ登る途中からも靴下に違和感を感じていました。
それが確信に変わったのが、カズラ谷下山終盤で川を渡る場所。ここで汚れたアイゼンを洗おうと右足を水の中に入れた途端に靴紐下部から浸水。そして左足も川に入った途端にソール踵部から浸水。両足がグチュグチュになってしまったです。
メレルの靴はミドルカットで軽く履きやすかったので家の近所の藪山へも行くときもよく履いてきました。
でも、これ一足をずっと酷使してきたので、柔らかいアッパーのネジレに付いていけなくなって、ゴアテックス・ブーティーが寿命となったのでしょう。
それにしてもこの時期に防水出来ない靴は致命傷。
今後の事を考えて3シーズン対応もしくは4シーズン対応の軽量化登山靴を用意しないとイケナイのですが硬い靴は誤魔化しが効かないので足型に合わない靴はもっての外。うーむ・・・金も暇も無いのに・・・でも、靴はローンだなぁ・・・
コメント
五代目さんこんばんは
カズラ谷コース分岐手前の夏の鎖場は、当日の雪の付き具合ではやはりフィックスして通過するべきです
万一滑落した場合,雪面に正対していれば問題なく止まりますが
ブッシュにアイゼンが引っかかったりして体が回転すれば、かなり下まで滑ります
その時、大きなブッシュなどに激突するのが恐いです
もし塾の方が、他の隊で雪のこのルートを辿る場合は、必ずロープを持って行ってほしいと願います
カズラ谷コース分岐手前の夏の鎖場は、当日の雪の付き具合ではやはりフィックスして通過するべきです
万一滑落した場合,雪面に正対していれば問題なく止まりますが
ブッシュにアイゼンが引っかかったりして体が回転すれば、かなり下まで滑ります
その時、大きなブッシュなどに激突するのが恐いです
もし塾の方が、他の隊で雪のこのルートを辿る場合は、必ずロープを持って行ってほしいと願います
| 伊賀天幕番 | EMAIL | URL |
2011/01/26 06:21 PM | OeBy5c0o |
保留中コメント:0件
経験豊な師匠は私のような凡人とは違って、危険予知能力(回避能力)のレベルが違うのでしょう。それが現場で活かせなかったのを後悔されているのですね・・・了解です。
しかし、安全のためのロープのタイミングって本当に難しいですよね。安全第一なのは分かるのですが、過保護に出し過ぎると、技術の向上も出来ないし、せっかくのスリルも味わえなくなってしまう・・・
しかし、安全のためのロープのタイミングって本当に難しいですよね。安全第一なのは分かるのですが、過保護に出し過ぎると、技術の向上も出来ないし、せっかくのスリルも味わえなくなってしまう・・・
| 五代目 | EMAIL | URL |
2011/01/26 09:14 PM | RkWOqosk |
保留中コメント:0件
先日のような部分をトップで登る時は、体重分散する必要があります
両手両足を使う、要するに四点支持
四つん這いになって足だけに体重を預けることを回避します
後続は必ずロープで安全確保しないといけません
両手両足を使う、要するに四点支持
四つん這いになって足だけに体重を預けることを回避します
後続は必ずロープで安全確保しないといけません
| 伊賀天幕番 | EMAIL | URL |
2011/01/26 10:17 PM | OeBy5c0o |
保留中コメント:0件
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