大峰・弥山(1,895m):登山編::つばや菓子舗五代目ブログ

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五代目の四方山不定期更新日記
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4:45 寝たような寝ていないような寝不足な私の耳に「チリン、チリン」と音が聞こえる。
どうやら早朝出発組が登山開始したようだ。大峰周辺で熊は居ても当たり前?
寒さはあまり感じ無いがテント内壁は結露で濡れている。この結露が気になって眠りが浅かったといえる。嫁さんもこの音に反応して起きた。
5:00もう少し横になっていようとしていたが熊鈴の音が頻繁に聞こえだした。
「もう、いいや」と「少しでも寝る」ことを諦めシュラフを片付け、朝食の準備。
長女(7歳)もその音で起きた。長男(4歳)はまだ夢の中。おおよその片付けが出来た段階で長男も起こす。朝食は昨日コンビニで買い込んでいたオニギリやパン。寒くないのでガスコンロは使わず簡単に済ませた。
天候がよければ野外でコンロを使った調理もするのですが、如何せん子ども達が小さくてテント内で火気を使うと危なくて・・・

結局、テントを片付けようとしていたらまた雨がパラパラ・・・
子どもと嫁さんに車に戻ってレインウエア上下を着て出発準備を促す。


7:30 登山開始。

早起きしていたにも係わらず、雨のせいで片付けと出発準備に手間取り登山開始時間は当初予定の最悪パターンになった。もう少し早く出発したかった・・・


尾根コースに取り付いてしばらくすると雨が上がり樹間に朝日が挿し込んできた。

尾根コースの急登は雨水が斜面を削りとってしまったのだろうか?木の根が多く露出していた。


しかもこの日は休日とあって登山者が多く、追い抜いてもらうために道を譲る回数が多いし、待ち時間が多い。なので一向にペースが上がらない。

しかし、ここの森は広葉樹で覆われており明るく豊かな表情をしている。

私は初めてにして大峰の山が好きになった。

あちこちでツキヨタケがブナの倒木にくっついている。

そのデカさや数は私の家の近くでは見れないものだ。

他のパーティーがどんどん登ってきて追いぬいてもらう。
4歳の長男には、かなりハードな登りとなった。


でも、道中にこんなデカイ方がくっつき合っていた。
ヤママユ?

仲良し中です。秋、森でよく見かけます。

9:15やっと奥駈道出合に着いた。

105分かかってしまった。標準タイムの倍である。

奥駈道出合は冷たい風が吹き抜けていた。そのオカゲなのか、ウチワカエデ?の紅葉(黄葉)が素晴らしい。

黄色く黄葉した森は太陽に照らされて黄金色の森になっている。
「来て良かった!ここを推薦してくれたT氏よ、ありがとう!」と素直に思える。

写真を撮ったりしながら小休止。

ここから「弁天の森」までは、なだらかな登り。そこから聖宝ノ宿跡までは緩やかな下りとなっている。
しかし、早朝までの雨のせいで登山道はヌカルミ、グジュグジュ。それを避けようと迂回するので、相変わらずスタスタ歩くことが出来ない。

樹間より独特な山容が見え隠れする鉄山だろうか?

しかし紅葉が見事である。

緑、黄、赤の三色を埋める中間色も含め錦色のこの状態の紅葉が私は一番好きだ。

歩いていると、モミノキに似た針葉樹がある。

トウヒだろうか?

10:10 弁天の森(1,600.1m)到着。

奥駈道出合から55分経過していた。
ここでは給水だけですぐに出発。

しばらく歩くとブナの立ち枯れに大量のブナハリタケが!

子どもに食べれるキノコであると告げると持ち帰ろう!と言い出したが、ザックが重くなるからダメ!と断った。

弥山が大きく見えてきたが、まだまだ距離がある。

日没までに下山できるのだろうか?と不安を感じた。

10:50 子どもが「お腹が空いた!」と言い出した。私もお腹が「グゥ~」と鳴り始めていた。ちょうど広くて綺麗な森にさしかかっていたので、ここで昼食にすることにした。この森には少しだけだがトリカブトの青紫の花がまだ残っていた。
今日のメニューはカップ麺にコンビニで仕入れたオニギリ。カップ麺は嵩張るが何処でも手に入るし軽量化に貢献してくれる。
カップ麺を各自のザック取り出すと気圧差のため蓋が膨らんでいる。コンロと鍋を取り出して1.5リットルの湯を沸かしカップ麺3個に注ぐ。4人で食べるなら4個×500mlで2リットルの湯が必要だが子ども達は1つを分けて食べさせるので3個×500mlなのである。
握り飯とカップ麺を食べ終えて聖宝ノ宿跡を目指す。


11:45 1分もかからずに聖宝ノ宿跡に到着。

聖宝ノ宿跡手前で昼飯を食べていたらしい(汗)
それにしても昼食時間込みとは言え、奥駈道出合から2時間30分かかってしまった。

でも、ここからが正念場だ。

ジグザグの急登をひたすら登り続け無ければならない。

途中、白装束に身を包んだ大峰信仰の方達がおりてきた。


ここの森は、本当に素晴らしい。

地面はフカフカの苔に覆われ、ミズナラやブナが森を明るく照らしている。宮崎アニメの「もののけ姫」に出てくる「シシ神の森」のようで、そのあたりに「コダマ」達が居て「カラカラ」と頭を鳴らしているように思えてしまう。

北向きの樹間から堂々そびえる山が見える。

稲村ケ岳?私には分からない。
たくさんの登山者が下山しはじめた。時刻は昼の12時を回っている。
また、下山者とのすれ違いのために時間がドンドン経過していく。

登っていくと木を地面に埋め込んだ階段が出てきて、やがて明るい空が進行方向に近づき、そして尾根にぶつかった。

もうすぐ弥山小屋だ!ラストスパート!

・・・それでも、ここから弥山小屋まで20分を要した(泣)

13:00 弥山小屋に到着。聖宝ノ宿跡手前から75分で着いた。上出来だ。
本当なら近畿最高峰の八剣山(八経ヶ岳)に足を運びたいのだが、予定よりもかなり遅れている。
八剣山はすぐそこに見えているが次回の楽しみに残しておくことにした。

(八剣山1,914mよ、いつかきっと登るからな!)

せっかくここまで来たのだから!と、弥山山頂を目指す。
トウヒの立ち枯れの道を進む。

なんだか写真で見たことのある大台ヶ原のような景観だ。

13:03 弥山小屋から3分ほどで弥山山頂(1,895m)に到着。

立派な鳥居とお社である。すごい!

お社の前にあるベンチに腰をおろして各自、汗をぬぐい、給水&アミノ系サプリ入りゼリー飲料で下山に備える。
子ども達とクッキーやチョコレートなどを分けあい、しばし休憩。
長男は山ガのオネーさんを見つけ、そそくさと自分の持っていたクッキーを渡し、コミュニケーションを取っていた。彼の得意技である。以前、大阪府の槇尾山に登った時も、居合わせたオバサン達に自分の持っていた飴を配りまくり、お返しのお菓子を貰いまくって「わらしべ長者」のようになっていた。

13:25 下山開始。八剣山の山裾が紅葉で綺麗だ。


13:29 弥山小屋を通過

右手に八剣山分岐を確認。国見八方覗?なんだろう?
展望台?とそちらに足を運んだ。

すると八方が見渡せる訳ではないが、北から西を経由して西南方向を見晴らすことが出来た。


13:35 今度こそ本当に下山開始だ。

景色を楽しみながら快調に下山していく。

(行者還への尾根が眼下に見える)

しかし!聖宝ノ宿跡手前で長男が石が積み重なった場所を手をついて降りようとした時に石が動いて指を挟んで指先を少し切った。
もっとも傷は浅く、絆創膏を貼って手当しただけで済んだのだが、彼のモチベーションは一気にダウン!
早朝から山登りをしていた疲れも重なり、眠さが彼を襲った!
予想はしていたが、先はまだまだ長く、最悪の状態である。

彼を宥めすかしながら下山していくが、どんどん彼の足取りは重くなり母親に甘えまくるようになった。ここが限界か・・・日没までに降りれるだろうか?ヘッデンを次に休憩するときに取り出しやすい場所に出しておかないと・・・

そんな事を考えながら歩いていると見たこともないヒキガエルが居た。

帰って調べてみるとアズマヒキガエルの高地型でヤマヒキガエルというヤツらしい。

ついに4歳の長男は疲れと甘えから泣き出した。
まだ聖宝ノ宿跡から弁天の森の中間地点である。
休憩をとって菓子を食べさせるが一向に機嫌は治らない。
道標になるものまで到達しないと残り時間が割り出せない!
長女と私は先行して弁天の森まで歩いた。

15:30 弁天の森に到着。

ここまでの間、家内が長男を背負ったりしていた。

ここからは奥駈道出合まで約700m。高低差100mの下りだ。奥駈道出合までは何とかなるとしても、そこから下が厄介だ。登りで急登だった場所は下山時には急降下で危ない。とりあえずヘッデンをポケットに入れる。

16:00 奥駈道出合に到着。

このペースで行くと、ここから置き車している場所まで1時間30分かかる?17:30下山完了か?
最悪は自分だけ先に降りてランタンをぶら下げ、ザックを空にしてから登り返し、長男をザックに入れて下りなければならないかもしれない。

一方、長女は足の指先が痛いと訴えるものの、まだまだ元気である。頼もしい小学一年生である。

下山の模様は余裕がなく写真無しであるが、文字通り「泣き泣き」の下山だった。
段差の高い場所やザレている場所は「抱っこ」してやった。でも、基本的に長男を叱咤&鼓舞し、出来る限り彼の自力で下りさせた。やり遂げることも味わって欲しいからだが、それは親のエゴだろうか?きっと彼は山が嫌いになっただろう。
でも、忘れるのも早いのが彼の年齢でもあるが・・・

17:10 登山口に程近い沢の木橋に到着。

長男は木橋が見えた途端、泣き止んで一気に足が軽くなった。
精神状態でこうも人間変われるものなのか!?というお手本のようだった。

17:17 下山完了!
皆で弥山登山が無事に終えられた事をたたえ合った。

今朝7:30の登山開始から約9時間50分が経過していた。
大人だけなら6時間あまりのコースだが1.6倍時間がかかった事になる。
この事を次回のコース設定に反映させることとする。

着替えたり装備を片付けたりしていたら出発が17:40を回ってしまった。

ちなみに、子ども達は余程飢えていたらしく、親が片付けをしている最中、行動食の残りをすべてムサボリ食ってしまった。

上の写真は行者還トンネルの車中である。このトンネルを出たあとすぐに子ども達は眠ってしまった。

帰路は途中で温泉に入って夕食!

19:30 立ち寄った温泉は大宇陀の「あきのの湯」。
連休最終日の夜ということで大した混雑ではなかった。
ゆっくりとジェット風呂や露天風呂、竹炭風呂などに浸かり、足腰や尻の疲れを揉みほぐした。

20:00 「あきのの湯」の館内にある食事処で夕食。
子ども達は「子様セット」。家内は車の運転免除で生ビールの湯上りセット&天ぷら盛り合わせ。私はガッツリ肉が食いたかったので焼肉定食を頼んだ。
焼肉定食・・・モヤシ&牛肉の焼肉がソコソコの量あったのだが・・・・・・
モヤシ!もう少しだけ火を通してくれい!青臭い!
肉!どこの牛肉か知らんが、堅すぎじゃー!!餃子の王将の焼肉定食のほうが安くて、ずっと美味いぞ!とメラメラしていたが山行の疲れが・・・

そして帰宅。子ども達は道中で寝入ったためベッドまで抱き運ぶ。
嫁さんは着替えた衣類の洗濯。私は持ち帰ったゴミの整理やザックの中身を出したり、濡れたテントを広げたり・・・

0:00 明日から仕事だ!寝るぞ!

ちなみに、この山行・・・雨が降っていながらのテント泊(沢の横)~下山完了までの間、鈴鹿では標準といえるヤマビルに出会うことが無かった。台高や大台ヶ原でもウヨウヨ居ると聞いていたが意外だった。この事だけでも良い山と評価できるかも?(汗)

それから、もう一つデジカメで気づいたことだが、ペンタックスのOptio W90の電池の残量表示は「?」だった。
登山前日に撮影しようと電源をいれると電池残量が1つ減っていて、登山当日の朝に電池残量がマークが一つだけに減っていた。
予備のリチュウムイオン電池を車に置き忘れてきたので「ヤバイ!もう撮れない!」と覚悟していたが結局、下山までに130枚あまりの撮影が出来た。フラッシュを使ったり、マクロ用LED照明で撮影したりしたにも係わらずである。
しかも、帰路で立ち寄った温泉で、すべての写真を3回スライドショーで見ても、まだ電池はアラームマークが出なかった。
残量表示の推移がよく分からないカメラである。

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| 12:22 AM | comments (0) | trackback (0) |

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